
ウチの商い品です。今HPの方はしめちゃってますが・・。
これはコインパースなんですが、縁起のいい柄でしたので、長襦袢の袖一枚分で
コインパースをいろいろ作りました。これはその一部です。
実は知り合いの小学生のお嬢さんが、おばあちゃんに「還暦のお祝いに」と
ためたお小遣いででこの柄のものをひとつお買い上げくださって・・
「縁起がいい」と、とても喜ばれたそうです。
どんな柄かというと下の写真です。

「百寿柄」とよばれる柄です。100あるかどうかはともかくとして、
とにかく中国の漢字というのはすごいものだと思います。
私なんてこの中でひとつだけ出されて「寿」だろうと思える字は、
いくつもありません。
さて、今日のお題は、明日はお正月ですし、「えと」・・です。
「コインパース」だの「寿」がなんで「えと」なのよ・・。
実は「還暦」というのが、干支に関係があるんです。
「還暦」は日本での長寿のお祝いの始まりでこれは60歳、
次は古稀の祝い、ここから先のお祝いはみんな、そのいわれが
「文字」に関わることからです。例えば「傘寿(80歳)」は
「傘」の略字が「八の下に十」だから。でも60歳だけは「還暦」という呼び名。
実はこれが「えと(干支)」に深い関係があるんですね。
えと・干支とはなんでしょう。「ね・うし・とら・う・・・」ってあれでしょ?
はい、その通りです。でもそれだけでは本当は「干支」ではありません。
正確にいうと「干支」の「支」の方だけです。では「干」の方は?
これは「十干(じっかん)」というものからきています。
私たちが普段「干支」と言っているものは「暦術用語」、つまり
中国からはいってきた「陰陽道」「易道」などの「暦によって、この世の
全てのことを読み解き占う・・」という思想の実践に使われる用語。
実は「易」や「陰陽」「風水」といったものも、歴史が古く、
さまざまなものが影響しあい、時間をかけて形成されていったものなので、
ひとつ取り上げてカンタンな説明・・というのはとても難しくてできません。
皆さんがよく耳にする・眼にする、というのはまず「干支」
それから「方位」、それに「大安」とか「仏滅」とか、あとは「節分」「立春」
などでしょうか。これらはみな「易」で使われる暦術用語です。
で、十干ですが、元々「この世は全て木・火・土・金・水(もっかどごんすい)
によって成り立つ」という「五行説(ごぎょうせつ)」という説があり
更に陰陽道の「全ては『陰』と『陽』に分かれる」という説と結びついて
「陰陽五行説」というものができました。この「陰と陽」というのは
陰と陽、裏と表、兄と弟、というように対比して考察する説です。
こういう説の中で、十干というのはまず年月日や方位をあらわす用語として
使われてきました。使う文字は「甲・乙・丙・・」これに組み合わされたのが
十二支「子・丑・寅・卯・・・」です。ややこしいですから並べて書きましょう。
甲は「こう」ではなく「きのえ」
乙は「おつ」ではなく「きのと」・・。これが実は陰と陽、兄と弟で、
「きのえ」は「きの兄」
「きのと」は「きの弟」、五行にあてはめると「木・火・土・金・水」の
「木」の兄が「きのえ」弟が「きのと」
火は「ひのえ と ひのと」
土は「つちのえ と つちのと」
金は「かのえ と かのと」
水は「みずのえ と みずのと」
これで十個ですね。これに「子・丑・寅」を組み合わせてその年を呼ぶわけです。
最初は「甲」と「子」、「きのえ」と「ね」、で「きのえね」の年、と呼びます。
どこかでみたことありませんか?高校野球で有名な「甲子園」ですね。
あの球場が出来たのが「きのえね」の年だから「甲子園」とつけたのです。
あとよく耳にするのは「ひのえうま」、この年生まれの女の子は
気が強くて男を蹴り飛ばす、転じて男にとってはあまり相性がよくないなどと、
とんでもない「言い伝え」なんぞができてしまいました。
この十干の「干」と十二支の「支」で「えと・干支」と呼ばれるわけです。
さて、ここまでで十干と十二支が組み合わされて、年月日や方角をあらわす
用語として使われてきた・・というところまではお分かりいただけましたか?
突然ですが、私の「干支」は「戊寅」かのえとら、です。
庚の寅年は昭和25年のことです。次の年はというと「かのえ」の次は「かのと」
そして「とら」のつぎは「うさぎ」、つまり昭和26年は「辛卯」かのとうの年。
こうして毎年ひとつずつ先へ進んでいきます。片方は「かのえかのと」
次は水ですから「みずのえみずのと」・・もう片方は「寅・卯・辰・己・」
ところが片や10、片や12ですからずっと同じ組み合わせではいられません。
十干の方は一回りしてまた「かのえ」になったとき、十二支の方は「ね」年です。
ふたつ多い分のズレ、ですね。さてこの「十干」と「十二支」が、
生まれたときと同じ組み合わせに戻るのに何年かかるでしょうか。
10と12の「最小公倍数」、はい「60年目」ですね。
私の生まれ年「かのえとら」の年は、60年たつとようやくやってくるんです。
つまりその年は、自分が生まれた「暦に還る」ので「還暦」というのです。
生まれた年(暦)に還るということは「もう一度生まれる」という意味も含めて
「赤ちゃんにもどる」ことから、赤いちゃんちゃんこなんぞ着て祝うのです。
還暦とは、そういう気の長~い?お祝いだったんですねぇ。今の日本は長寿国、
60ではまだまだ若い部類です。しかし、人生50年といわれた昔は
60といえばりっぱな年寄り、よくぞここまで生きられた、生まれ変われた、と
長寿を祝ったのですね。
さて、いよいよやってくる来年は・・「丙戌」ひのえいぬ の年です。
来年生まれる赤ちゃんが、また「ひのえいぬ」の年を迎えるのは2066年!
平和な世界であるといいですねぇ。
10月に開設いたしましたこのブログ、
もともと吹けば飛ぶよな薄~い知恵を、絞って絞って書いてまいりました。
ひとつ書こうとするたびに「ここはちょっと確認しなきゃ」「これは知らないぞ」
と、私自身も思わぬ勉強をさせていただきました。
来年も、勝手きままに「自分のすきなこと」ばっかりを書き綴らせて頂きます。
つたないブログにおいでくださった御客様、
たくさんのコメントを書いてくださった皆々様、
ありがとうございました。また、来年もよろしくお願い致します。
どうぞよいお年、あっ「ひのえいぬ」の年をお迎え下さい!
すご~いっ!!傘寿や米寿や喜寿などは、字からきているんだなぁ~と思っていましたが、確かに還暦って、なんで?ですね~。
あと数年で父も還暦で、お祝いお祝いと秘かに兄と考えておりました。
そうなんですね。本当勉強になります。中盤ちとJJには難しいですが・・・(笑)
私も、ブログをはじめて、まだ数ヶ月ですが、ブログを通して、こんなにもいろいろと勉強できると思っておりませんでした。とっても楽しく読ませて頂いております。来年もどうぞよろしくお願い致します!
今日 母が老健の施設から帰ってきます。家の中は寒いので、施設に居させたいのですが、どうしても帰りたいと。当たり前かもしれません。今年は喪中で正月もありませんが、103歳の祖母も3日に訪ねて来ることになったいます。父のいない初めての正月を迎えます。
来年も宜しくお願いおいたします。
父の遺品で、面白いものが沢山出てきましたので、ゆっくりブログで紹介するつもりです。
お父様、私と年が近いのですね。
ステキなプレゼント、考えてあげてください。
「還暦」について、むずかしいことはいいですから、
生まれた年の干支が戻る・・と覚えてください。
覚えていたからといって、何がどうなるものでも
ないのですが、日本って、そういう風に
「お祝い」に意味を持たせて「生きる」ことに
感謝してきた「民」なんだなって、思ってください。
来年もよろしくお願い致します。
さすらい様
お婆様ご長寿なんですね!喪中であられて
静かな年越しとなられますでしょうけれとど、
親子3代揃ってのひととき、
穏やかに楽しくすごされますように。
お父様の思い出話も、たくさんでることでしょう。
そうそう「百壽柄」はあるようで、見ない柄です。
大切になさってください。
お父様のご遺品、ブログでのご紹介を
楽しみにしています。着物関係は特に!?
来年もよろしくお願い致します。
いいお年を・・・。
私も55ですが、気分的には30代
(ちとムリがある?)ですー。
PCで世界を広げて、一年ごとに若返りましょ!
私にとっても、とてもいい年になりました。
こちらこそ、来年もよろしくお願い致します。
よいお年を・・。
もっと早く、とんぼ様にお会いしていれば。。。
粗忽者の壬辰(みずのえたつ)ぶりねぇ、来年もよろしくお願い申し上げます。m(_)m
そして蟹を使うのがお約束、蟹は60年に一度脱皮、どこでそんな話になったものか、
料理屋さんが、懐石料理にちゃんと蟹を使ってくださって、でももうひとつ、蟹の蓋置きを使いました。
私事だったはずなのに、祝いならばとお客様が気合をいれてこられ、それなりに茶事を実施いたしました。
どうも華甲という言葉は女性向けらしいですね。
ひゃ・ひゃ・ひゃくじゅもんのおびがぁ~~!!
今頃どこぞの手芸好きのかたが、ニマニマと笑いながらしゃれたバッグかなんかにしてお使いですよ、きっと!帯としてよれよれでも、少しでも柄のきれいなところがあれば、両面接着芯で、別布と張り合わせてバツグのボディになります。着物時より帯地の方がバッグ向きですから。次になにかご不要のものは、是非とんぼまで、向ご一報を!!
ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。よいお年を!
蜆子様
遅ればせながら、ご本卦帰りおめでとうございます。
「華甲」とか「蟹を使うお約束」とか、日本にはほんとに「風流で雅」な言葉の使いようとか、見立てとかがたくさんありますね。先に言葉が磨かれたのは「西」ですから、女房言葉とか、廓言葉とか、そういう土壌の上に、日常会話やしきたりが作られてきたと思います。とかく「遠まわしな言い方」というのは「はっきりしなくてうろんだ」と思われがちですが、こういう言葉やしきたりは、残ってほしいですね。
私も華甲にあたる「男性用」の言葉はしりません。
またみつけたいものが増えました!
ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。よいお年を!
間もなくアップロードしますが、リンクの方をさせて頂きました。
来年もよろしくおねがいします。
こちらこそ、ありがとうございました。
こちらも「ブックマーク」させていただきます。
来年も、よろしくお願い致します。
これから初詣ですね。
お風邪などめされませんように。よいお年を!