とみしゅう日記

パンリタ

子供のころ、僕は「戦隊もの」のヒーローたちに憧れていました。
ゴレンジャー、バトルフィーバーJ、サンバルカン、デンジマン、などなど。
小遣いを握り締めて、月刊の「テレビランド」という雑誌を買いに行っていたことを、よく覚えています。

日本における有名なヒーローといったら、仮面ライダーとウルトラマンが筆頭に挙げられるでしょう。
どちらも、現在に至るまでシリーズ作品が作られており、旧作に対する人気も根強くあります。

一方、アメリカにおけるヒーローは誰なのか?
僕は日本人ですので、あくまでも「僕が知っているアメリカのヒーロー」ということになりますが、その一番に来るのはスーパーマンです。
普段は冴えない新聞記者のクラーク・ケントが、悪と戦うためにスーパーマンに変身する。
これは実にかっこよかった。
子どものころ、映画館で観たスーパーマンは、今でも僕の中でヒーローのイメージを残しています。

そんなスーパーマンが、再びスクリーンに蘇る。
そう聞いたら、見に行かないわけには行きません。
ということで、『スーパーマン・リターンズ』の先行上映と観てきたわけです。

この作品に期待する理由はもうひとつあって、監督がブライアン・シンガーである、ということ。
『ユージュアル・サスペクツ』は、今でもマイ・ベスト10に残っている、大好きな映画なのです。
近年では『Xメン』シリーズも手がけていますね。
『スーパーマン・リターンズ』撮影のために、最新作の監督は辞退したそうです。

かつて憧れていた映画が、大好きな監督の手によって蘇る。
最高のシチュエーションです。

アメリカには DC コミックスなるものがあるそうで、そこでは数々のヒーローが漫画の中で活躍をしているのだとか。
スーパーマン、バットマン、スパイダーマンなどなど、映画化されたヒーローは数知れず。
(ちなみに、この3作とも、最新作は劇場で観ました。)
日本だと、これに近いのは「ジャンプ&サンデー&マガジン」の少年誌になるのかなぁ。

さて、『スーパーマン・リターンズ』の感想です。

スーパーマン=クラーク・ケントを演じたブランドン・ルースですが、印象が初代スーパーマンである、クリストファー・リーブにそっくりです。
濃い顔つきで、いかにも正義感が強そう。
宿敵であるレックス・ルーサーを演じたのは、ケビン・スペイシー。
『ユージュアル・サスペクツ』や『セブン』での怪演が、今でも忘れられません。
この手の映画は、悪役の個性がしっかりしていないと観ていられません。
『バットマン』でのジャック・ニコルソンは、本当に凄かったもんなぁ。
しかし、さすがはケビン・スペイシー。
ユーモアを感じさせつつも、ずる賢くて、手ごわい悪役をきっちり演じてみせました。
スーパーマンの恋人的存在であるロイスは、ケイト・ボスワースという女優が演じています。
すいません、この人のことはよく知らないです。
正直、映画を観ても、あまり魅力的には思えませんでした。
好みの問題ですね、きっと。

ストーリーは、きわめてシンプルです。
なにせ、悪役はレックス・ルーサーと決まっているわけですから。
あれやこれやと悪巧みをするレックスを、はたしてスーパーマンはどうやって倒すのか。
そこだけを気にしてみていればいいのですから。

とはいえ、もちろん他にもテーマは潜んでいます。

まず一つ目は、スーパーマンとロイスとの関係。
もともと、ここはややこしいんですよ。
人間社会にいるときのスーパーマン、すなわちクラーク・ケントは、ロイスの同僚です。
で、ロイスはクラークに対して、同僚以上の思いは抱いていません。
しかし、スーパーマンという存在に対しては、ロイスは恋心を抱いているわけです。

一方、スーパーマンにとっても、ロイスはかけがえのない存在。
なにせ、第1作目では「とんでもない方法」で、ロイスを窮地から救っているのですから。

が、しかし。
スーパーマンは世界の人々にとってのヒーローです。
そして、当然のことながら人間ではない。
(見た目は変わらないけれど)
普通の人間と違って、簡単に恋愛→結婚とは行きません。
そんなわけで、クラークとしては思いかなわず、スーパーマンとしては思いに応えられず、という状態だったわけです。

もう一つ、大切なテーマがこの映画では描かれています。
…が、それは観てからのお楽しみということで。
オープニングをちゃんと観ておくと、あとで「あぁ、なるほど」と納得できますよ。


映画は、スーパーマンがいったん地球を離れてから5年後、という時間設定で始まります。
再び地球に戻ってきたスーパーマンは、ロイスが結婚してしまった(しかも子どもまでいる!)ことを知り、ひどくショックを受けます。
しかも、そのロイスが「スーパーマンは必要か」などという記事まで書いているのです(さらに、その記事でピューリツァー賞まで受賞した)。
失意に打ちのめされるスーパーマンですが、しかしそれでも彼は地球の人々のために、再びヒーローとしての活躍を始めるのでした。

一方、宿敵であるレックス・ルーサーは、巧妙な知恵を使って刑務所を抜け出し、死期間近の富豪女性を手なずけて、その莫大な財産を手に入れます。
彼は、その財力を使って、かつてスーパーマンが過ごしていた北極の秘密基地へと足を運びます。

彼の目的は何であるのか?
スーパーマンとロイスの関係はどうなるのか?

この手の映画の大きな見所は、なんといっても VFX (特殊効果) を使ったアクションシーンです。
本作でも、スペースシャトル&ジェット機を使ったアクションシーンが、前半の見せ場として登場します。

しかし、スーパーマンって本当に「超人」なんですね。
「弾丸よりも速く」なんてキャッチフレーズを聞いた記憶がありますが、本作はそれどころではありません。
弱点といえば「鉛は透視できない」「クリプトナイトには弱い」くらいのものでしょうか。
予告編でも使われていますが、放たれた弾丸がスーパーマンの眼に当たって、ひしゃげて下に落ちるというシーン。
ああいう「スーパーマンはスーパーだ」ということを示すシーンが、けっこうあちこちに出てきます。
VFX が進化したからこそ、可能になった映像というのも多いんでしょうね。

全体的に、実にまっとうな作りで、飽きることなく楽しむことができました。
前作までの予習は特に必要ないと思うので、そのまま映画館に足を運んでもらえれば OK です。
こういう映画は、劇場の大スクリーンで観ないと、魅力が半減しますからね。

続編が作られることは間違いないでしょうけれども、まずはスーパーマン復活を劇場で祝おうではありませんか。
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