これは猫の手です。
これは孫の手です。
ダオ(次男)と2人だけの夕食だったので、外ご飯を食べに行った帰り、100均に寄りました。
目的は『孫の手』。
少し前パンダ(夫)が、背中を掻くために買ってきたのを見て、部屋を模様替え中のダオが、
「アレがあったら高い所のモノがラクに動かせそう…」
と思いつき、欲しくなったというわけです。
あんなモノでモノが動くか?
といささか疑問だったし、家にパンダのが1つあるのだから、
「必要な時に貸してもらったら?」
と私が言うと、
「オヤジが使ったヤツなんかヤダ。マイ・猫の手が欲しいんだよ」
…はあ。まあね。確かにパンダが背中掻いたヤツなんて…
えっ?“猫の手”?!
私はブハッと吹き出してしまいました。
「ダオさん、孫の手だよ、孫の手!猫の手ってアンタ…ぷふふ…」
ダオは、
「わざと言ったの!まったく冗談の通じない女だぜ…ぶつぶつ…」
とか言い訳をしましたが、本気でそう思い込んでいたに違いありません。
“蚊に食われる”というのを“蟹に食われると”言っていた男です。
私は猫の手で背中を掻いてるダオを想像して「ぷふふふふ」とニヤニヤしながら店に入りました。
しかしなかなか見つかりません。
手分けして探したけど、ダオも私もそんなモノ買ったことも気にしたこともないので、何コーナーにあるのかすらわかりません。
でもパンダが100均で買ったと言ってたので、どこかにあるはず…
こういう時、男子高校生ってのは、意地でも自力で探そうとします。
そしてこういう時、おばさんは、さっさと店員さんを探します。
が、店にはレジに1人だけ。しかも接客中。列もできています。
私はどこかにウロチョロしている他の店員さんはいないかと探し回り、
(ブツを探せよ?)
見つけました!
捕まえました!
そして大きな声で聞きました!
「あ!すいません!猫の手どこですか?」
アタマがすっかり猫の手になっていた私は、自分の間違いに少しも気づかず、逆に店員さんが、
「えっ…猫の手ですか?」
と、ポカンとした顔で聞き返してきたのを、
「ふっ、まったく最近の若い店員は猫の手も知らないのね」
と言わんばかりに、超ドヤ顔で、
「ほら、木でできてる背中とか掻くヤツ…」
と教えてあげました。
すると店員さんは必死に笑いを堪えてるような表情で、
「孫の手ですね?こちらです…」
と言って、案内してくれました。
私はそばに売っていた園芸用のスコップで穴を掘って埋まりたいと思いました。
狭い店内、私のドヤ声は隅々まで響き渡っていたのでしょう。
案内されたコーナーまで行くと、先に自力で孫の手を見つけたらしいダオが、
猛ダッシュで逃げていく後ろ姿が目に映りました。
こうして年頃の息子は母親から離れていくのでしょうね…
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