[2024年9月15日 更新]
今回は自己PRカードについてお伝えする。
自己PRカードが登場した時と現在では状況が違う。
昔の知識は、ここで更新してもらいたい。
◆自己PRカードは点数化しない
前提として推薦入試、一般入試ともに、自己PRカードの内容は直接に合否には影響しない。
導入は2003年度入試から。
学区撤廃など都立高校入試改革の一端として始まった。
どの都立高校も、最低でも100点の点数を付与することになっていた。
当初、一般入試だと調査書点と学力検査点をあわせた1000点に加え、自己PRカード100点を加えた1100点満点での合否判定をする都立高校が大半であった。推薦入試でも高校によりまちまちだったが、多くの学校は下限である100点に設定していた。
一方で、例年高倍率だった向丘高校は推薦入試において
調査書点 500
面接点 150
自己PRカード 350
面接点 150
自己PRカード 350
と他のどの高校よりも自己PRカードの比重を重くしたことが話題になった。
当時の石井校長は、
「調査書の点数だけでなく、中学三年間をどう過ごしたかを評価したかった。面接もあるが時間が限られるので、PRカードを重視することにした」
と述べている。
ほとんどの受験生は学校の先生や塾の先生に添削指導をお願いしていた。
その上で提出していたのだから、実質は「大人と一緒に作った自己PRカード」であり、添削した大人の技量で点数が決まるという点があったのは間違いない。
閑話休題、2009年度入試から現在は自己PRカードは点数化されない。
活用方法については、都教育委員会の発表を引用する
推薦入試での個人面接や第一次募集・分割前期募集などの面接の際の資料として活用します。また、
自己PRカードは点数化しませんが、推薦入試では選抜の資料の一つとして活用されることがあります。
<出典:都立高等学校入試Q&A>
つまり「推薦入試で面接をする際の資料」といった位置づけであり、面接官は自己PRカードを見て受験生に質問をするのである。
点数化されないとは言え、推薦入試では面接点の比重が20~30%と大きく、合否には影響がある。
自己PRカードで面接官に好印象を与えることは可能だ。くれぐれも丁寧な字で書いて欲しい。
提出するタイミングは、願書提出と同時である。
内容は自由だが、1点だけ注意して欲しい。
それは、各都立高校が発表している「本校の期待する生徒の姿」に即して書くということ。
例えば城東高校は、
大学進学等を目指し、将来への目的意識をもって、本校に入学を強く希望する生徒
という項目がある。
<出典:本校の期待する生徒の姿>
それなのに、面接で「私は高校卒業後、地元の工場に就職します」と言ってはいけない。
高校側は大学進学希望者を求めているのだから、就職希望者はミスマッチである。いい・悪いの問題ではない。
絶対に就職するつもりだけど城東高校にどうしても行きたいのなら、就職希望ということは隠すべきだよ。
◆一般入試なら、合格後に提出
一般入試では面接のある一部の高校を除き、出願時に提出する必要はない。
都立高校に入学手続きをした後、「入学関係書類提出日」までに作成しておくといい。
2週間ほどあるので、合格発表後から自己PRカードを作成し始めても間に合う。が、熱が冷めないうちに作成しておくことを薦める。理由はもちろんあるがここで言うほどのことでもない。自分で考えて欲しい。
「自分がなぜその高校に入るのか」を合格後に改めて考えるいい機会であると思おう。
◆導入時も項目は3点だったが・・・
2020年度入試も2003年度入試も、3つの項目を書くという点は同じ。
ただしその項目は変更されている。
2003年度の3項目は、
1.「入学を希望する理由」
各都立高校が公表する「本校の期待する生徒の姿」を参考にして、志望理由などを記入する。
2.「選択教科や総合的な学習について」
3年時にそれぞれの時間で取り組んだことをPRする。
3.「諸活動の状況及ぴ実績について」
部活、生徒会、ボランティア活動、資格取得などをPRする。
なお2020年度の項目は、以下の画像のとおり。
昨年度と同じだ。
<出典:都立高等学校入試Q&A>
各項目、行数は5~6行にまとめること。
小さい文字だと見にくい。ぜひ読みたいと面接官に思ってもらえるように書くこと。
汚い字で受かった子は私の周りで一人もいない。
ただの一人も、だ。
好印象をもたれる自己PRカードの書き方は、おって記事にする。
期待して待たれよ。
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