都立に入る!

都立国語 過去36年間の作品一覧(文学的文章)

[2024年11月6日 更新]
今回は、過去の都立入試で出題された国語大問3の文学的文章を列挙する。

大問3の時間配分は12~15分程度だろう。
マークシート形式になった2016年度以降は、5問ずつ出題されている。

選択肢の規則性については、ぜひ過去記事を読まれたい。読まないと大損だ。

実際に読んでみれば、どんな内容が試験に出やすいかが分かるかもしれない。
興味がある作品は図書室で借りてでもいいので読んでみたらいい。

中学校の図書室にはぜひ「都立高校入試で出た作品コーナー」を作ることをお薦めする。

◆2度、出題された著者もいます
著者「作品名」の順で書いてあります。

見てお分かりの通り、作者には有名な方が多い印象。
最近ではライトノベル作家も採用されている。
同じ著者が2回採用されたケースもある。伊集院静さんと宮下奈都さんである。宮下奈都さんは5年後にもう1ぺん出されているのだ。売れっ子。

中学受験では定番のあさのあつこさん、重松清さんも出ているね。

2024年度 辻村深月 「この夏の星を見る
2024年度後期 喜多川泰 「おあとがよろしいようで
2023年度 清水晴木 「旅立ちの日に
2023年度後期 河邉徹 「蛍と月の真ん中で
2022年度 村山由佳「雪のなまえ
2022年度後期 青山美智子 「赤と青とエスキース
2021年度 伊吹有喜「雲を紡ぐ
2021年度後期 天沢夏月「17歳のラリー (角川文庫)
2020年度 瀬那和章「わたしたち、何者にもなれなかった」 
2020年度後期 片川優子「動物学科空手道部1年高田トモ!
2019年度 三浦哲郎「燈火
2019年度後期 馳星周「雨降る森の犬 
2018年度 澤西祐典「辞書に描かれたもの
2018年度後期 加藤千恵「ラジオラジオラジオ! 
2017年度 あさのあつこ「一年四組の窓から
2016年度 伊集院静「どんまい
2015年度 原田マハ「斉唱
2014年度 長野まゆみ「夏帽子 
2013年度 稲葉真弓「唇に小さな春を
2012年度 松樹剛史「熟してはじける果実のように」
2011年度 小川洋子「ガイド
2010年度 宮下奈都「スコーレNo.4
2009年度 橋本紡「永代橋
2008年度 伊集院静「坂の上のμ 
2007年度 三田誠広「永遠の放課後
2006年度 光野桃「背中」※随筆
2005年度 宮下奈都「静かな雨
2004年度 山口理「河を歩いた夏
2003年度 重松清「熱球
2002年度 立松和平「坂道の自転車」
2001年度 小川国夫「若木さえ
2000年度 津村節子「流星」
1999年度 大野哲郎「フクラスズメ
1998年度 工藤直子「父のソラマメ」
1997年度 安西水丸「黄色い双眼鏡」
1996年度 雨森零「首飾り
1995年度 大城貞俊「椎の川
1994年度 大垣千枝子「揚梅」 ※随筆
1993年度 向田邦子「傷だらけの茄子
1992年度 藤田順子「筆箱」
1991年度 村田喜代子「鋼索電車
1990年度 中村昌義「ぬいぐるみの鼠
1989年度 紫みほこ「ぐみの実」
※リンク先は収録されている書籍名なので、作品名と一致しないものもある。


芥川賞作家は5名。
三浦哲郎、小川洋子、三田誠広、津村節子、村田喜代子。

直木賞作家は3名。
馳星周、伊集院静、重松清、村山由佳、2024年度の辻村深月。
もちろん受賞作品が都立入試に出題されることはない。受験生が読んでいる可能性が高いからね。

ほとんどが小説だが、随筆が出たこともある。
随筆が出たのは2006年度が最後なので、あまり意識する必要もあるまい。

◆古い作品は出ない
小説は、小中高校生が登場人物である場合がほとんど。
つまり中学生のキミたちにもイメージしやすい題材を取り上げてくれている。
池井戸潤作品のような会社、企業などがテーマの作品は出ない。
歴史小説も出ない。

あまり古い作品は選ばれていない。だいたい発表されてから1~10年後に出題されている。
2019年度後期の「雨降る森の犬」は2018年6月発刊されている。
1990年度の「ぬいぐるみの鼠」は1985年に発表。5年前だ。

◆テスト点を取るのに熟読は不要
都立入試の国語を解く上で小説をじっくり読む必要はない。
入試では、あくまで制限時間内に問題を解くことを目的としなければならない。これは訓練でコツがつかめるようになる。

都立高校受験レベルであれば、そこまで語彙も必要ない。
楽観的
めまぐるしく
絶賛
郷里
頑(かたく)な
辟易
この程度の言葉が「だいたいどういう意味」なのかを思い浮かべることができるならそれでいい。
漢字の勉強をしていれば、語彙は自然と増えていくからね。

◆出題作品を読んでみる
2020年度の入試で出された「わたしたち、何者にもなれなかった
都立入試を受けた後、実際に読んだ子もいるだろう。私も続きが気になって読んだ。

ひとことで言うと「予想していた、爽やかなストーリーではなかった」
が続きが気になる作品。オッサンでも。
242ページと短く、私は1日で読み終えた。

文才がないゆえ書評などはとてもできない。Amazonのレビューを読んでもらいたい。
この作品、面白いかどうかで言うと後味は良くないが面白かった。


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