[2020年5月25日 更新]
大学受験や中学受験と違い、大半の私立高校受験では偏差値の意味などない。
これを知らない方が多いので今回は記事にする。
◆私立高校に入るための手段は3つ
手段1. 推薦入試
手段2. 併願優遇
手段3. 一般入試
これらの違いは、詳しくは過去記事にまとめているので、そちらを読んでほしい。
<過去記事:東京都の併願優遇について全部、教えます>
推薦入試には「単願」ならほぼ確実に受かる高校と、試験の結果で合否が決まる高校がある。
一般入試は私立中学受験や大学受験と同じ仕組み。
ペーパーテスト一発勝負。入試日のデキ次第で合否が決まる。通知表の点数や部活委員会活動など一切関係なしのシンプルな受験だ。
併願優遇がない学校は推薦入試であれ一般入試であれ、テストを受けてその点数で合否が決まる。まぁ当たり前の受験システムだよね。
しかし併願優遇のある学校は合格者の多く、おそらくは約99%が単願推薦と併願優遇が占める。通知表の点で合格が確定しているのだ。
合格者を数百人出す高校でも、一般入試で受ける子は1ケタ程度だったりする。
◆ペーパーテストで合否決まらないのに偏差値がある
じゃあ高校の偏差値って何なの?
合格者の平均偏差値なのか。一般入試を受けた数少ない合格者の偏差値を示しているのか。よくわからない。
目安にすらならないと私は思っている。
K城高校やS徳高校など、都立上位校の併願で受ける子は多いが、大半は併願優遇で受験する。
私の教え子でも受けた子は何人もいる。併願優遇(昔は併願推薦といった)でなくガチの一般受験をした子など一人もいない。
23区内にあるT学院の場合、一般受験する子は全受験生の1%以下だと聞いた。
受験雑誌に載っている偏差値、アレにはまったく意味がないと私は考えている。
むしろアレで「都立より偏差値高いですよ」とか根拠のない数値を見せることで生徒を集めようとしている姿勢に腹が立つ。
入試のテストの点で合否を決めないのに、なんで偏差値基準があるのかと。
もちろん早慶、MARCH付属や豊島岡女子、巣鴨、城北、本郷などガチ入試の高校受験なら偏差値には意味がある。
もっともそういう私立高校を受ける子なら駿台模試を受けるだろう。
ん?じゃあ何のための私立V…
◆結論。私立高校の偏差値は見なくていい
見るべきはその高校を卒業したらどんな進路になるのか。つまり「進学実績」である。
だがほとんどの私立高校は「合格実績」のみをHPに掲載している。
「進学実績」を載せるのはほんの一握りだ。
K城高校やS徳高校はもちろん合格実績しか出していません。
女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉) 、麻布、駒場東邦、海城、城北なども合格実績しか出していない。
逆に言えば、進学実績を公表する高校は
・進学実績に自信がある
・見せかけの数字を使わなくても受験生が集まる
こういうイメージを私は持つ。
どうだろう。
これをご覧の高校関係の方、やってみては。
繰り返すが結論。
単願と併願優遇で生徒を集める高校の偏差値などほぼ見る意味はない。
見かけの偏差値を上げる方法もあるがこれはいずれかの機会に。
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