[2020年4月27日 更新]
都教委はこれからの工業高校で育成する素養は、
・基礎的IT、データスキル
・基本的技術
と言っている。
その他、都教委は工業高校の応募倍率が低迷していることに危機感を覚えている。
そこで採ろうとしている策がいくつか提示されていた。
策1 遊びに行ける工業高校を目指す
・壊れたおもちゃや車いすを生徒が直す
・夏休みの自由研究を助ける"宿題フェス"の行事開催
・地域の方のためにIT体験ツアー開催
など、工業高校生が活躍している姿を見せる。
これはいい。
小中学生にとって、高校生なんてほぼ大人に見える。
そんな高校生が相手をしてくれれば、小さい子たちは尊敬するだろう。
それ以上に高校生側が、自分が頼りにされたこと、自分が教える楽しさや難しさを経験できることのメリットが大きい。
学力の高くない子はえてして、学校で褒められることが少ない。
工業高校生の自己肯定感も高められるのは大きいなメリットだ。
策2 中学生や中学校関係者にアピール
・中学校での進路説明会に工業高校関係者を派遣する
・中学校教員を工業高校に招き、施設見学や実技講習を行う。
工業高校は1クラス35名体制であり、普通科(40名)よりきめ細かく生徒を見られるという特徴もある。これもアピール素材になろう。
策3 その他イメージ刷新策
・工芸系、デザイン系など女子にもアピールをする。
・TwitterなどのSNSを使う。工業高校出身で活躍が目覚ましい著名人をロールモデルとする。
女子中学生は高校を選ぶ際、「はなから工業高校は対象から外す」ケースがある。
そうさせないためであろう。
前編に書いたが、都立工芸高校は3/4が女子だ。アート・デザイン系の学校は少なくそこをうまくPRすれば女子の受験生は集められる。
◆結論。工業はお薦め。
万人にお薦めするわけではないが
・偏差値は40台
・高校卒業後、進学するかどうかわからない
こういう子は選択肢に入れておくといい。
少なくとも普通科の下位校よりはずっといい。
なぜか。
高校卒業後の進路が決まっている子が工業高校の方が多いからだ。
各高校の学校経営シート最新版から、進路が「その他」の生徒割合を並べている。
「その他」とは、上位校なら浪人生だが、下位校の多くは進路が決まっていない子。ありていに言えばプーである。
<普通科>
深沢高校 7%
永山高校 9%
山崎高校 11%
東村山西高校 12%
大森高校 13%
南葛飾高校 13%
青井高校 14%
多摩高校 21%
大山高校 23%
田柄高校 24%
<工業科>
蔵前工業高校 1%
荒川工業高校 2%
北豊島工業高校 3%
杉並工業高校 3%
総合工科高校 3%
足立工業高校 5%
練馬工業高校 5%
町田工業高校 5%
六郷工科高校 10%
中野工業高校 14%
エンカレッジスクールである中野工業はやや「その他」割合が高い。
それでも全工業高校が10%以下に収まっている。
(同じエンカレッジでも練馬工業は低い)
田柄高校は、卒業生のうち4人に1人は進路が決まっていないんだよ。
いくら制服がリニューアルされても、さすがに田柄は生徒に薦められない。
参考までに商業高校ビジネス科は、
第五商業高校 1%
芝商業高校 3%
第一商業高校 4%
江東商業高校 4%
第三商業高校 6%
第四商業高校 8%
とさらに低い。
どうしても普通科に行きたがる子に聞きたい。
---普通科という名前以外で、普通科に行く理由はありますか?
工業高校、商業高校。
名前だけで敬遠しないほうがいい。
見るだけでいいから見に行ってごらん。印象が変わるよ。
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