[2021年9月10日 更新]
東京都民が私立高校に進む場合、就学支援金と助成金(私立高等学校等授業料軽減助成金)の支給総額は最大で467,000円。
約7割の私立高校はこれで授業料が実質無料になる。
とは言え、かかる費用は授業料だけではない。入学金や施設費などは別に払わねばならない。
<過去記事:東京都でいちばん学費が安い高校は>
◆初年度納付金は毎年、上がっている
東京都の私立高校、2021年度の初年度納付金の平均額は934,995円。全国で2番目に高い。
ちなみに全国で最も高いのは神奈川県。90万円台は東京と神奈川だけだ。
前年度まで、初年度納付金はこう推移している。
2020年度 934,038円
2019年度 926,290円
2018年度 918,794円
2017年度 912,156円
2016年度 904,449円
2015年度 898,785円
2014年度 888,665円
2013年度 883,829円
2012年度 881,735円
じわじわ毎年、値上がりしている。21世紀に入ってから一度たりとも前年を割れたことはない。
私立高校の授業料実質無償化は2017年度から始まった。
この年を境に、授業料が急騰した私立高校がある。
2017→2021年度で授業料が6万円以上の値上げをした私立高校。
それが以下の18校だ(漏れてたら申し訳ない)
鶴川 282,000→402,000
武蔵野大附属千代田 312,000→468,000
広尾学園小石川 324,000→480,000
東洋女子 330,000→432,000
日本体育大学荏原 336,000→396,000
蒲田女子 348,000→460,800
貞静学園 348,000→432,000
國學院 354,000→424,000
品川エトワール 360,000→444,000
東海大菅生 360,000→420,000
東京農業大第一 370,000→432,000
川村 372,000→450,000
東京純心女子 372,000→444,000
日本工業大駒場 378,000→444,000
郁文館 381,600→453,600
新渡戸文化 387,600 →504,000
武蔵野 390,000→456,000
帝京 396,000→456,000
値上げ額が大きいのは156,000円の武蔵野大附属千代田と広尾学園小石川。どちらも学校名を変え、女子校から共学化したばかり。
鶴川は12万円の値上げしている。
元々が安かったというのはあるが、上げ過ぎではないかと思うだろう。
これにはカラクリがある。
◆総額はちょっと値上げしたけど、保護者は喜ぶ
鶴川高校の2017年度と2021年度の初年度納入金を比べてみる。
<2017年度>
授業料 282,000円
入学金 200,000円
施設費 80,000円
その他 71,000円
初年度総額 633,000円
<2021年度>
授業料 402,000円
入学金 200,000円
施設費 なし
その他 37,800円
初年度総額 639,800円
授業料は12万円も上げたのに、初年度納入金は6,800円しか上がっていない。
これは「施設費・その他費用」を大幅に値下げしたからだ。
なぜこんなことをしたのか。理由は簡単。
「助成金で免除になる授業料を増やしても、入学者(=お客さん)の出費は変わらない」から。
その分「施設費・その他費用」を値下げし、お客さんの負担を減らすためだろう。
助成金は都の税金から出るので、「高校側の取り分を減らさず、入学者に得をしてもらうため」の策と言える。
他の私立高校では「助成金でまかなえる金額ギリギリまで授業料を値上げ」するようなところもあったので、それに比べればずっとマシだ。
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