本日は昨日取材してきました南部鉄器の老舗『鈴木主善堂』からお伝えします。
↑↑↑こちらです。(肴町の近くにあります。後で地図載せます。)
盛岡には南部鉄器なるものがありまして、
まあ、要するにやかんなんですが、
ただのやかんではなく、手作りの伝統工芸品なんですな。今のやかんはだいたいステンレスですが、この鉄器から染み出す良質な鉄分で、体にいいお湯が飲めるらしいです。水の味も違ってくるといいます。(自分は飲んだことないのでわかりませんが…)
↑手作りなので、表面のブツブツしたのも全部手作りです。デザインです、これ。南部鉄器の伝統的な。ちなみに、左のお馬さんも南部鉄器で作ったものだそうです。
↑↓このように、南部鉄器の作品はとても美しく、僕はとても好きです。日本の伝統的な茶道で使われる茶釜には必須のアイテムといえましょう。
↓これは十二支の漢字が入っているので、「十二支釜」というそうです。ただ、値段が値段ですから、簡単に手に入るものではありません…
昔は大砲も作っていたらしく、蔵の中には大砲の図面もあったようです。
1893年(明治26年)のアメリカの万国博の時にも出品したようです。「褒賞」とありますから、賞をもらっているということなのでしょう。世界的に価値を認められているということです。すごいですなあ
南部鉄瓶の名家・鈴木家はこの地で最も古く、記録にあるところでは1616年から南部家に召抱えられ、この地で鋳物の制作を始めています。(店内にパンフあり。それを参考。)
さて、気になるのが、店頭にかけられているこの看板。東北唯一の「ふいご」というではありませんか!!
これは見たいぞ!!
↓で、見せてもらいました。もちろん、今は使われていません。物置になってしまってます。左にある長い板を上にかぶせて、両側から人が乗って、バッタンバッタンと右にあるオレンジ色っぽい高炉に空気を送り込む装置です。このような足踏みふいごを「たたら」とも言うそうです。そういえば、ジブリの『もののけ姫』でも見たような…。
今では、機械式の送風機を使うので、このようなたたらは必要ないそうです。でも、文化的な価値から残しているそうです。ご主人の話によると、これは「東北唯一」ではなく、「全国唯一」なのだとか…。
ただ単に風を送るだけなら、機械の送風機の方が安定していて便利でしょうな。そういえば、昔、パイプオルガンの工房を見学させてもらったことがありましたが、マイスター(作り手)が同じことを言っていた気がします。パイプオルガンも常に空気を送り込まないとひけない楽器(原理的には笛と同じなんですよ)だから、昔の教会では裏方となってパイプオルガンで空気を送り込む人が頑張っていたらしいです。
↓で、この積んである七輪みたいなものが、「型」だそうです。この中に溶けた鉄を流し込んで、鉄瓶を作るということです。ただ、「皆さん誤解しがちなんですが…」と前置きしてくれて、ご主人の話によると、このような「火入れ」は年に2~3回ほどしかないそうです。それ以外は、ほとんど型を作るために粘土を削っていたり、図面を引いていたり、お客さんと打ち合わせをしていたり、ということが大半なのだそうです。毎日のように鉄を溶かして鉄瓶を作っているわけではないのですねそりゃ、そうか。
でも、そうやって鉄を溶かして型に流し込む(「鋳込み」というそうです)は、とっても画面映えがするので、N○Kなんかは、「鋳込みやってくださいよ~」なんて来るそうです。そうなると、すべての受注中の仕事を止めて、1~2か月前から準備をしなくてはいけないそうで…、「南部鉄器を世に広めるため…」と割り切って、その取材に協力したそうですが、…内心は協力したくないようです…。(そりゃあ、なあ、本来の仕事つぶしてまで1~2か月使うのは大変すぎるよなあ…)
そこで、あえて、言おう。
「N○K!テレビだからってチョーシに乗るなよ!!」
さらに、仕事場の雰囲気が伝わる写真を載せます。実に歴史を感じさせます。電気消したら真っ暗!どんな作りしているんだろ!??実に神秘的です。
↓ここで鉄を溶かすわけですね。この型はちなみに一回使うと崩れてしまうので、もう一回同じものを作る時にはもう一度作り直すそうです。それでも、大きさなどは参考になるので、デザインの名前を表面に書いて保管しておくのだそうです。「鋳込み」までのデザイン作りが南部鉄器の職人の仕事の大半ですね。注文主は平気で「あと5mm背の高いものを…」などの要望を出したりするのだそうです。
ヒジョーに、キビシー!!!(古いぞ!!!)
考えてみれば、こういうものを注文するのはかなりの芸術家であり、こだわりの強い人でしょう。そのニーズに応え、最上のものを作り出していくのはとても大変な気がしました。先ほど、僕がうっとりしてしまった茶釜でも、本当の茶道家にとってはまだ物足りず、「もっともっと」を求めるわけなのでしょう。
これまで、茶道は知っていても、まったくやろうとも思わなかった自分ですが、いつか偉くなったら、こんな茶釜を使って茶を飲むのも悪くないなあ…と思いました。それこそが「真の贅沢」の一つなのでしょう。
(でも、何が本当の「贅沢」なのかわからないよな…。今まではエビスビール飲んでれば「贅沢」と感じていたし…。フリーターの頃はとんかつ屋にひと月に一回行くのが十分贅沢だった。)
以上、盛岡の南部鉄器の名店・鈴木主善堂からお送りしました。
↓↓↓『鈴木主善堂』の位置はこちら。
〒020-0874 岩手県盛岡市南大通一丁目一番二五号
電話(019)652-2233
FAX (019)652-2234
↑↑↑こちらです。(肴町の近くにあります。後で地図載せます。)
盛岡には南部鉄器なるものがありまして、
まあ、要するにやかんなんですが、
ただのやかんではなく、手作りの伝統工芸品なんですな。今のやかんはだいたいステンレスですが、この鉄器から染み出す良質な鉄分で、体にいいお湯が飲めるらしいです。水の味も違ってくるといいます。(自分は飲んだことないのでわかりませんが…)
↑手作りなので、表面のブツブツしたのも全部手作りです。デザインです、これ。南部鉄器の伝統的な。ちなみに、左のお馬さんも南部鉄器で作ったものだそうです。
↑↓このように、南部鉄器の作品はとても美しく、僕はとても好きです。日本の伝統的な茶道で使われる茶釜には必須のアイテムといえましょう。
↓これは十二支の漢字が入っているので、「十二支釜」というそうです。ただ、値段が値段ですから、簡単に手に入るものではありません…
昔は大砲も作っていたらしく、蔵の中には大砲の図面もあったようです。
1893年(明治26年)のアメリカの万国博の時にも出品したようです。「褒賞」とありますから、賞をもらっているということなのでしょう。世界的に価値を認められているということです。すごいですなあ
南部鉄瓶の名家・鈴木家はこの地で最も古く、記録にあるところでは1616年から南部家に召抱えられ、この地で鋳物の制作を始めています。(店内にパンフあり。それを参考。)
さて、気になるのが、店頭にかけられているこの看板。東北唯一の「ふいご」というではありませんか!!
これは見たいぞ!!
↓で、見せてもらいました。もちろん、今は使われていません。物置になってしまってます。左にある長い板を上にかぶせて、両側から人が乗って、バッタンバッタンと右にあるオレンジ色っぽい高炉に空気を送り込む装置です。このような足踏みふいごを「たたら」とも言うそうです。そういえば、ジブリの『もののけ姫』でも見たような…。
今では、機械式の送風機を使うので、このようなたたらは必要ないそうです。でも、文化的な価値から残しているそうです。ご主人の話によると、これは「東北唯一」ではなく、「全国唯一」なのだとか…。
ただ単に風を送るだけなら、機械の送風機の方が安定していて便利でしょうな。そういえば、昔、パイプオルガンの工房を見学させてもらったことがありましたが、マイスター(作り手)が同じことを言っていた気がします。パイプオルガンも常に空気を送り込まないとひけない楽器(原理的には笛と同じなんですよ)だから、昔の教会では裏方となってパイプオルガンで空気を送り込む人が頑張っていたらしいです。
↓で、この積んである七輪みたいなものが、「型」だそうです。この中に溶けた鉄を流し込んで、鉄瓶を作るということです。ただ、「皆さん誤解しがちなんですが…」と前置きしてくれて、ご主人の話によると、このような「火入れ」は年に2~3回ほどしかないそうです。それ以外は、ほとんど型を作るために粘土を削っていたり、図面を引いていたり、お客さんと打ち合わせをしていたり、ということが大半なのだそうです。毎日のように鉄を溶かして鉄瓶を作っているわけではないのですねそりゃ、そうか。
でも、そうやって鉄を溶かして型に流し込む(「鋳込み」というそうです)は、とっても画面映えがするので、N○Kなんかは、「鋳込みやってくださいよ~」なんて来るそうです。そうなると、すべての受注中の仕事を止めて、1~2か月前から準備をしなくてはいけないそうで…、「南部鉄器を世に広めるため…」と割り切って、その取材に協力したそうですが、…内心は協力したくないようです…。(そりゃあ、なあ、本来の仕事つぶしてまで1~2か月使うのは大変すぎるよなあ…)
そこで、あえて、言おう。
「N○K!テレビだからってチョーシに乗るなよ!!」
さらに、仕事場の雰囲気が伝わる写真を載せます。実に歴史を感じさせます。電気消したら真っ暗!どんな作りしているんだろ!??実に神秘的です。
↓ここで鉄を溶かすわけですね。この型はちなみに一回使うと崩れてしまうので、もう一回同じものを作る時にはもう一度作り直すそうです。それでも、大きさなどは参考になるので、デザインの名前を表面に書いて保管しておくのだそうです。「鋳込み」までのデザイン作りが南部鉄器の職人の仕事の大半ですね。注文主は平気で「あと5mm背の高いものを…」などの要望を出したりするのだそうです。
ヒジョーに、キビシー!!!(古いぞ!!!)
考えてみれば、こういうものを注文するのはかなりの芸術家であり、こだわりの強い人でしょう。そのニーズに応え、最上のものを作り出していくのはとても大変な気がしました。先ほど、僕がうっとりしてしまった茶釜でも、本当の茶道家にとってはまだ物足りず、「もっともっと」を求めるわけなのでしょう。
これまで、茶道は知っていても、まったくやろうとも思わなかった自分ですが、いつか偉くなったら、こんな茶釜を使って茶を飲むのも悪くないなあ…と思いました。それこそが「真の贅沢」の一つなのでしょう。
(でも、何が本当の「贅沢」なのかわからないよな…。今まではエビスビール飲んでれば「贅沢」と感じていたし…。フリーターの頃はとんかつ屋にひと月に一回行くのが十分贅沢だった。)
以上、盛岡の南部鉄器の名店・鈴木主善堂からお送りしました。
↓↓↓『鈴木主善堂』の位置はこちら。
〒020-0874 岩手県盛岡市南大通一丁目一番二五号
電話(019)652-2233
FAX (019)652-2234
この内容って、お店の人とお話ししたってことですよね。ははは。楽しそう~!
やっぱり店の人と仲良くならないとそれなりに情報は引き出せませんからね~。
もちろんブログに載せることは了承してもらっています。
埼玉県に住む、鉄器を愛する主婦です。
先日、リサイクル店で鉄鍋が売っていたので、早速
買いました。
うれしく眺めていましたが、持ち手がついてないことに気付き、持ち手が欲しいな~とおもいました。
明日、鈴木主善堂に聞いてみようと思います。