totoroの小道

「挑戦することで、きっといいことがある」  http://www.geocities.jp/totoroguide/ 

きつつきの商売

2010-05-26 13:57:52 | 3年 国語

ターザンさんから、次のような書き込みをしてもらいました。

はじめまして。私は大阪のとある大学の教育学部で国語の授業について研究している学生です。totoroさんの「きつつきの商売」の教材解釈とてもわかりやすかったです。
ここで一つ質問なのですが、totoroさんはきつつきの「音を売る」という商売がどうしてこの物語では商売として成り立つのか、ということに関して何か考えがおありですか?

そこで、その返事を考えてみました。

ターザンさん、ありがとうございます。

分からないときは、調べてみるとよいと思っています。
そこで、調べてみました。

まず、このお話の中の、「音を売る」という商売に関する言葉を調べると、「お店」「商売」「おとや」が見つかりました。

そこで、何か手がかりがないか、それぞれ辞書で調べてみます。
お店=商品を陳列して客に売る所。商店。「─を畳む(=商売をやめる)」
商売=①〘自サ変〙利益を得るために品物を売り買いすること。あきない。「─繁盛」
      ②〔俗〕仕事。職業。「人を笑わせる─」
あきない=①売り買いをすること。商売。「小─」
屋=①〔屋〕その商売を営む人や家の意を表す。「肉─・パン─・植木─」
などと載っていました。

ターザンさんの質問が「どうして、音を売ることが、商売として成り立つか?」ですから、調べた言葉と置き換えます。

すると、質問は「どうして、音を売ることが、、利益(①事業などによって得る、金銭上のもうけ。)を得るために品物を売り買いすることとして、成り立つのか?」という意味になります。

これを、一つ一つ考えましょう。

その1 利益はあるのか
きつつきの商売において、事業については、「できたての音、すてきないい音、お聞かせします。」と書いてありますから、事業として成り立つことが証明できます。
金銭上のもうけがあるかどうかは「四分音符一こにつき、どれでも百リル。」とありますから、もうけはあります。
よって利益はあることが証明できます。

その2 品物は何か?
「できたての音、すてきないい音」です。

その3 売り買いしているか
「どれでも百リル。」で売り、どれも「百リル。」で買ってくれるわけですから、成立します。

これで、商売として成り立つことは証明できます。

さて、残った問題は、「音を売る」という商売がどうして成り立つかです。

すると、「音を売る」という行為が、品物として価値があるかどうかにかかってくると思います。

そこで、本文を調べてみます。すると、こんな表記が見つかります。
「きつつきも、うっとり聞いていました。」
うっとりを調べます。
美しいものに心を奪われるさま。また、快さに身をゆだねるさま。
と載っています。

つまり、売り手は少なくても、「美しいと感じ、快く思う」のですから、売り手からしたら十分に対価を求められるものであり、またお客もうっとりするのですから、対価を払って満足するのですから、品物として価値があると感じています。

こう考えてみると、
きつつきの「音を売る」という商売がこの物語では「商売として成り立つのか?」という問いに対して、成り立つと結論づけてよいのでは無いのでしょうか?

ターザンさんは、どう思いますか?


付け足せば、②の場面で特別メニューなのに雨の音は「ただ」となります。
普通特別メニューは、他の値段より高いように思います。
そこで特別を調べてみます。
特別=他とはっきり区別されること。特に、他とはっきり区別して扱うこと。
と載っています。

何かがはっきり区別されるから「ただ」なのです。

それは何か?

ただを調べます。
③代金のいらないこと。また、報酬のないこと。「入場料は─だ」「─で働く」
 
代金を調べます=物品やサービスなどの対価として払う金銭。代価。
報酬を調べます=労力・尽力または物の使用の対価として給付される金品。

ここまでしらべると、分かってきます。
きつつきは何も、サービスしていないのです。労力・尽力していないのです。ただ静かに目を閉じて音を聞くだけです。

これに対して、①の場面では、「ぶなの木のみきを、くちばしで力いっぱいたたきました。」という、サービス・労力・尽力を尽くしています。

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