totoroの小道

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視線と重心

2009-02-16 05:43:24 | 柔軟運動・器械運動

5年生 跳び前転

ゴムを付けた練習では、高く跳べるようになったし、ふんわり宙に浮く感覚も掴むことができました。
しかし、ゴムをなくすと、とたんに高さが無くなります。

そこで、5年生の先生方は、練習の場を作り直します。
自然と遠くへ跳ぶために、2枚のマットを使って心理的に遠くへ跳ぶことを意識させます。
また、着手の位置を示すことで、目線が上がり、目で高さを意識させます。
上手な子には、進行方向マットの一番端を意識させて跳びます。

これで、ゴムが無くなっても、距離も高さも意識することができるはずです。


しかし、私はこれではまだ高さを意識させられないのではないかと思います。
それは、先日先生達に実際に跳んでもらった写真を見れば分かります。

高く前方に跳ぶときの視線を調べます。
手前にあるゴムの、もっと上を見ていることが分かります。


つまり、マット場の赤いラインを見ている限り、このゴムの下辺りを見ることになり、体はそんなには上には上がりません。
場の工夫に関しては、もう一工夫欲しいと感じます。

さらに、5年生の先生は、子ども達の跳び方の欠点を2点見つけました。

その1つめは重心です。

踏み切る瞬間、両足がそろいます。
そのとき、跳べない子は写真のようにかかとに体重がのり、助走の勢いを止めています。

すると腰が下がります。
この状態からジャンプするので、真上に体を押し上げる、「高飛び系」のジャンプになります。
結果として、足は上がるけれども、手や頭は上がらないことになります。


理想とする体重の載る位置は、つま先になります。

すると、助走の力は、つま先を中心にした回転運動に変わり、重心は前に押し出されます。「幅跳び系」の踏切方です。

これを意識させるためには
「つま先だけで、踏み切りなさい。」
と指示する必要がありそうです。

 

2点目の改善点は、手の振りです。
手の力を使って、体を前方に引っ張ろうと考えます。

↑手で体を引っ張るために、手は大きな弧を描いて前方へ振り出します。
しかし、ほとんどの子の手は、
↓のような軌道を描いていることが分かりました。

ゴムがこわいために、また着手を意識するために、振らずに、着地点に伸ばすだけになっているのです。

これを意識するために
「振り上げた手の、両方の親指で腿をこすってから、前に伸ばしなさい。」
と指示する必要がありそうです。

 

次に、授業の様子を写したビデオを見てみます。
↓ 一番理想的に跳んでいるのは、次の写真です。

踏み切る瞬間の体重移動が、つま先を回転軸にして、助走の力を前方へ飛び出す力に変えていることがよく分かります。

↓ 二番目に理想的な子どもの写真です。
一番目と同様、つま先で踏み切っているために、助走の力を前方へ飛び出す力にうまく変換しています。
ただし、この子は一番のこと比べると、視線が途中で下がっているのが分かります。
そのために、距離が伸びず、近くに着地しています。

↓ つぎは、助走の勢いをとめて、足だけを上に持ち上げている写真です。ほとんどの子は、これと同じような跳び方をしています。

3人とも比較できるように、それぞれ同じ秒間隔ごとの連続写真にしてあります。

3人目は、前の二人に比べて、膝を折りたたみ、水平方向の力を垂直方向の力へと返還しているために、着地から踏切までの時間がかかっていることが分かります。

また、踏み切った時点の視線を調べてみると、一番最初の子は遠くを見ています。あとの二人は、目標のために張ってある赤いテープを見ています。
そのため、一番最初の子は赤いテープより前方に着手しているのに対して、2番目の子は赤いテープの上、3番目の子は赤いテープの手前に着手していることが分かります。

このことから、やはり踏切の時点の視線を上に上げることが大事であることが見て取れます。

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