totoroの小道

「挑戦することで、きっといいことがある」  http://www.geocities.jp/totoroguide/ 

こんな学校 ある??

2009-02-12 17:38:52 | 表現

2時間目が終わる。

それぞれの学年が、廊下に整列し、それが終わると整然と体育館に集まる。
話し声は皆無である。

「ここに並びなさい。」
という先生の指示もない。
「前にならえ!」
という子どものリーダーの声もない。

しずしずと集まり、目で列をそろえ、良いと思った者からさっと座る。

ここまで4分。

「この隊列から、各学年2列で、ステージの自分の位置に移動しなさい。」
「6年が、見本を見せます。」
「6年生の行動を見て、よく、自分たちで考えて、動きなさい。」
と指示を出す。

「立ちなさい。」とか
「5年生、出てください。」とか
などという指示はいっさいない。

自分たちで
今、「立とう」と決心して立つ。

先頭は隣と息を合わせ、まっすぐ見たまま最初の一歩を、歩み出す。

どの子も、胸をはり、目線を決める。
待っている1年生も、決して話さない。

ステージに上った子どもたちは、自分の位置を決め、正面を見据える。
列は、整然と続いていく。

5年が終わると、4年。3年。2年と、指示しなくても、入場する。

350人全校児童が、この隊形に移動するまで2分35秒。

ここで、音楽主任が登場する。
空気が一気にとぎ澄すまされる。しかし、固くはない。
新緑の中を駆け下る、雪解けの小川のような、済んだ華やかな空気だ。

これは、音楽主任のもっている、生き生きした息吹を子どもたちが感じ取るのだ。


大きく、息を吐くよ。
もっともっと。足の先の空気も、指の先の空気もはき出すよ。

子どもたちは、一緒になって、体全部から息を吐き出していく。


今度は、空気の無くなった体いっぱいに空気を吸い込むよ。

おもしろいように子どもたちの体が大きくなる。
舞台がスイミーの作った大きな魚みたいに、一匹の生き物のように動き出す。

 

「さあ、今からいよいよ校歌を歌います。」
音楽主任が背筋を伸ばす。

子どもたちの顔が、引きしまる。
「いいよ。いつでも。」
「準備万端!!」
そう言っているようだ。

 

校歌の斉唱が始まる。
全校350人の響き。
すごい。
ただただ、すごい。
このとどろくような歌の中に、たたずむ気持ちよさを感じる。








これだけの内容を、20分でこなせる学校があるのだろうか?


たしかに、私の目の前に、
今、ここにあるのである。
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1 コメント

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別世界の子どもに見えるとは、 (Mrヒデ)
2009-02-13 22:55:17
 ここのところ表現活動や歌声の記事が掲載されています。子どもたちの表現、歌声の写真を見て、初任者は別世界の子どもに見えるといいます。もちろんこのような事実を出したことのない、または、見たことのないベテランの教師も同様な感想を持ちます。それだけ、子どもの力を引き出し、通常では、見られない子どもの崇高な姿を生み出しているからです。子どもの、教師の、学校の理想の姿と言えます。しかし、こんなことは並の努力ではできないことである。どうぞ、自信を持って前に進んでください。
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