私は、表現の指導が苦手です。
自分自身も、あまり演ずることが上手くありません。
ですから、本校に赴任し、
研修に表現活動があったときに、困りました。
あれから、4年がたちます。
その間、素晴らしい表現活動をいくつも見てきました。
いつかは自分も指導したいと思う反面
自信のなさを感じていました。
また、疑問も感じていました。
浜松授業研究の会で、「大きなかぶ」の学習をしました。
また、本年の学習発表会で少しだけ2年生の発表の練習を手伝いました。
この2つのことから、私の表現に対する思いが変わりました。
疑問に思っていたことが、
私なりに消化できてきたのです。

自分の浅い経験から述べさせていただくと、教師が、オペレッタの脚本の通りに(脚本を一読しただけでイメージを固めてしまって)子どもたちにやらせていたら、きっと子どもは楽しく感じないでしょうね。登場人物のせりふや行動には必ず意味がある。なぜ、どうしてと考えて理由を見つけて話し合い、その答えを表現に生かす。(そうしなくてはいられなかった登場人物の気持ちを込める、何を見て言っているのか、どのくらい離れているのか等)こういうことを子どもたちに投げかけて、いっしょにオペレッタを作っていくと、自分も楽しいし、そのときの子どもたちは楽しそうに表現していました。逆に、自分が何日までここまでできるようにさせなくちゃと考えてやらせた時は、子どもも楽しくなかったと思います。これって、国語の授業と似ていますね。
また、子どもに練習の様子をビデオで撮って見せると、「○○さんの動きや声はよかった。」「ここは、○○は~したんだから(登場人物の様子)こうした方がいい。」等、子どもたちでもっとこうした方がよい所を出し合い、さらによいものにしていこうとする姿に感心することが何回もありました。無口な子、引っ込み思案な子も、表現活動のとき少しずつですが、生き生きと表現できるようになっていきました。表現することが苦手や嫌いなのではなく、本当は、家庭や学校で、表現する機会がなかったり、表現する方法を教えてもらっていなかっただけではないでしょうか。
歌でも劇でもオペレッタでも人前でやりなさいと言えば9割の子ども、いや大人でさえも恥ずかしくていやだと言うでしょう。しかし、他人がやるものは楽しく面白く見るものです。そして、自分にもあんな演技をしたいと思います。そこが大切なのですね。ですから、子どもがいやがっているから指導しないのでなく、どのように指導したらよいかが問題になるのですね。その方法のいくつかがトルトリさんの言葉から読み取れます。