
学習発表会で私は毎年表現活動を行っている。
前任校は5クラス、本校は4クラスの学年なので、私の一存で何をやるかが決まるわけではない。
何度も学年の先生方とお話しして、表現活動を行う良さを理解して頂く。
できれば、本当の表現のために作られた題材がよいが、
今は教育課程がキツキツで、余計な活動を組むゆとりがない。
そこで、取り上げる題材は、国語で扱った(または今後あつかう)教材がいい。
1年生なら「くじらぐも」とか「かさじぞう」とか 2年生なら「スイミー」とか 3年生なら「もちもちの木」とか「さんねん峠」とか 4年生なら「ごんぎつね」とかである。
表現を行うには、物語の解釈が大事になる。
どんなお話か、主人公はどんな行動をする人か、主題は何か....
それらを知った上で、それを「表現」するからだ。
また、「くじらぐも」とか「スイミー」とか「もちもちの木」とか「ごんぎつね」なら、図工の時間にも取り組みさらに物語の世界を別の形でも表現することができる。
(3年生 もちもちの木)
さて、そうはいっても指導は難しいと感じてしまう。
例えば、教師が舞台上でこのように子供を配置し、台詞と動作をつけるとする。
すると、ほとんどの教師は
「Aさんは、ここ!」
「場所がちがう! ここって言ったでしょ!」
「Aさんの演技は、こうって言ったでしょ!」
「Aさんの台詞は、もっとこうしなくちゃ!!」
「Aさん、動き方がちがう! もっとこうしなさいと言ったでしょ!!」
とやり始める。
これでは、表現力はちっとも高まらない。
子供は何も考えない。
先生のための表現となってしまう。
一般的に行われている授業と同じである。
これを、こう変えていきたい。
ということだ。
具体的にどうするの?
例えば、この場面で、はっきりした役(台詞があり、心情が分かり、動作を考えやすい)があるのは「赤」「青」「緑」の子供たち、その他大勢で場の雰囲気を作る役割が「オレンジ」の子供たちだとする。
この子供たちは、まずそれぞれのチームで動作を考え、あれこれ試してみる。
ある程度形になったら、一緒に合わせてみる。
こんな風に!!
やってみて、不都合があれば、またなおしていく。
の繰り返しだ。
こういうことが教室のいたるところで行われる。
あくまで、物語の世界を作るのは子供たちがメイン。
教師は、それを支援しともに考える。
この「オレンジ」のグループの子供たちは他の場面で役を演じるが、この場面では目立った役割がない。
しかし、幕に隠れることはせずに、場の雰囲気を表現する役割になる。
最初はそれぞれのいる場所がおおまかに決まっているが、のスペースを動きながら背景を演じていく。
その際、「対応」ということを考えさせる。
周りに立っている人がいれば、身を低くする。
周りに動いている人がいれば、しばらく止まってポーズをとるなどである。
みんな同じでは、何も考えない。
また、動作は、指先まで気を配り、大きくゆっくりを求める。
といっても、殆どの子供は、何をどうしたらいいのか分からない。
そこで、楽しみながらその動きをかんがえてもらう。
下のビデオは、「走れメロス」の群衆の動きを考えさせているところ。
悪い王様が町を歩いてくる。見つかったら捕まってしまうというシチュエーションだ。
こんなふうにして、クラスみんなで、楽しみながら劇を作っていく。
こうしたことは、授業だけにとどまらず、表現でも言えることなのだと思う。
78回 | 12月16日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第1会議室 |
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79回 | 1月27日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
チームごと表現の仕方を話し合う活動で一人ひとりが考え、場面の理解が深まるのですね。セリフを言わない子達がいきていますね。
子供大好きなご夫婦、ご家族のことですから、新しい命をみんなで大切に大切にかわいがって育てておられるのだと思います。
もう、復帰まであと1年になってしまったのですね。
偉そうにブログに実践を載せていますが、実際はご存じの通りなかなかうまくいかなくて日々落ち込んだりぼやいたりの日々です。
また、先生からたくさん教えていただいて刺激をいただけたらいいなあと思っています。
あのときの学年は居心地がよかったですね!!みんなで、楽しく学び合えたと思います。
表現もあのときのごんぎつねがベースにあるので、一歩を踏み出すことができています。
また一緒に勤務できたらいいですね~
先生や学年の先生方と学びあえた1年は、本当に幸せな1年でした。私の思い描くチームになりました。理想だけに終わらせず、自分がそのきっかけを作る存在にならなくては、と思います。それには先生のように自分の教材観を持てるくらい読み込む必要がありますね。精進したいと思います。
実践を発信している先生のおかげで私のように学ぶ機会をいただいている人もたくさんいると思います。今後もお邪魔させてください。
本当に、またご一緒させてもらいたいです。