totoroの小道

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スイミー 大問題から まとめに

2008-07-08 06:48:33 | 2年 国語

教材解釈が熱心に行われるようになりました。

大事な展開の核もそれぞれの授業者が、感じて授業をするようになりました。

今、本校での研修の問題点は、その次にあります。

①その展開の核を調べ、主題に迫っていける大問題が作れるかどうか。
②大問題について話し合うときの、教師の子ども達の発言の捌き方。

最近、②についてあれこれ考えます。そこそこいい授業なんだけれど、いまいちすっきりと爽快感をもって全員が授業を終えないのは、ここが足りないのではないかと思います。授業は生き物だから、予想したとおりにはいかないし、予想通りの流れになることはまれですが、計画をして行う授業なのですから、教師の中にやはり台本が無ければなりません。

つまり、この大問題を扱えば、このまとめに来るだろう、という予想はとても荒っぽい予想だと思うのです。大問題から、まとめの間には、いくつかの階段があり子ども達はその階段を一歩一歩上って大問題の解決へと登っていきます。少なくても、教師の方でその階段が見えていなければいけないのではないかと思うのです。

例えば「スイミー」で
①ある日、おそろしいまぐろが、おなかをすかせて、すごいはやさでミサイルみたいにつっこんできた。

②一口で、まぐろは、小さな赤い魚たちを、1ぴきのこらずのみこんだ。

③にげたのはスイミーだけ。

大問題を、「スイミーだけ逃げたのか、みんなもスイミーも逃げたのか?」としたとします。到達点を「みんなは逃げずにその場にいた。スイミーだけがにげた。それは、スイミーはただ泳ぐのが速いだけでなく、頭の回転の速さ、視野の広さ、敏捷性があり、他の魚たちよりレベルが上の魚だったからだ。」にします。

①スイミーだけ逃げた
②みんなも逃げたけど、逃げ切ったのはスイミーだけだった。
③みんなも逃げたけど、スイミーだけ違う方へ逃げたから助かった。

と3つの考えが出たとします。これを次のように2つにまとめます。

①スイミーだけ逃げた。
②みんなもスイミーも逃げた。
この際、②に決まったら、その中で「③スイミーだけ逃げ切った。④スイミーだけ違う方へ逃げた。」を話し合うことになります。しかし、①の スイミーだけ逃げた。に持っていきたいわけです。

そこで展開の核を見つけます。「にげたのはスイミーだけ。」が出てきます。

しかし、子ども達は教科書の挿絵や、マグロがミサイルみたいにつっこんできたという言葉から、多くの固定観念を持っています。「逃げたのはスイミーだけ。」だけをいかに集中させるか。

黒板に、この一文だけ表示する。この一文で1時間勝負する。この中から考えてと話す。

この展開の核を切ると、「にげたのは/スイミーだけ。」と前後に分かれます。子ども達は、
後半の「スイミーだけ。」を選びます。その中でも「だけ」に注目し、「範囲をそれと限定する。」の意をつかみます。

では、この場合の範囲の限定は何かという問題をここで作らなければなりません。
①にげたこと。
②逃げ切ったこと。
③違う方向へ逃げた。
④黒いこと。
⑤泳ぐのが速いこと
です。この小問題を見つけることが実は大事なステップだと思います。子ども達は、逃げ切ったと思い込んでいます。この固定観念を変えないことには先には進みません。

これを解決するのも、展開の核を使います。「逃げたのはスイミーだけ。」これは実は倒置法になっています。子ども達は、倒置法という文法上の事柄は知りませんから、ここは教師の出番です。

「この文ちょっと変だよね。」普通は「逃げたのは、スイミーだけ。」なんて言わないよね。と切り出します。でも、教師が何を言いたいのか、はっきり伝わりません。そこで「だけ」を使った例文を考えさせます。
このイチゴだけ、赤い。
男の子だけ、外で遊ぶ。
ぼくだけ、おやつがない。
夏だけ、暑い.......... そうかあ、順番が逆なんだあと、気づきます。

そこで、正しく板書し直します。
「スイミーだけ、にげた。」となります。

つまり、「だけ」が限定している範囲は「逃げた」という行為についてです。そして、全員でここで確認しなければなりません。「にげた」と「にげきる」の違いです。

にげたは、①つかまらないように、あいてのとどかないところへ、いそいでいく。 ②きけんなばしょから、いそいではなれる。 の意味です。

逃げ切るは、つかまることなく逃げ終える。です。

スイミーは、「にげた」そして「逃げ切った」ことを押さえます。
みんなは、「にげなかった」のです。納得しなかったら「スイミーだけ、にげた。」に戻ります。

すると新しい問題ができます。
「なぜ、スイミーだけ逃げたのか?」です。

①スイミーだけ気づいた
②スイミーだけ体が反応した

これは、証拠が無いのでどちらでもいいのですが、どちらか話し合うことで、頭の回転の速さ、視野の広さ、敏捷性があり、他の魚たちよりレベルが上の魚だったことなどを確認し合うことができます。

こうしたプランを持って、授業に臨まないといけないなあと思っています。


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