totoroの小道

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運動会の絵

2014-06-07 12:18:28 | 図工

3年生図工

今年は学年主任なので、自分のクラスのことだけ考えて指導をするわけにはいかない。

図工も、ほぼ足並みをそろえて取り組むようにしている。
ただし、それぞれの先生方に以下のようにお願いしている。
・単元はそろえます。
 例えば「絵の具と仲良くなろう」とか、「学校生活の楽しい思い出の絵を描こう」とか
・しかし、その中でそれぞれ教師の個性や、クラスの実態に応じて、題材の部分は工夫していきましょう。
 例えば、「学校生活の楽しい思い出の絵を描こう」だったら、運動会でもいいし、遠足でもいいし、昼休みでもいい。
 どうしたら、子どもたちが楽しみながら、学習できるか、子どもに合った題材を考える。

 

というわけで、「学校生活の楽しい思い出の絵を描こう」の単元では、私のクラスは先日の運動会の絵に取り組んでいる。
運動会で、私のクラスのクラスの子どもたちが楽しい思い出になったのは、行幸種目の「台風の目」だ。
結果は5クラス中2位だった。(着順は3位だったが、違反のクラスがあり繰り上がった)
でも、その結果以上に子どもたちは喜んだ。
何度もクラスのみんなで作戦を立て、前日まで練習をして取り組んだ結果、タイムは新記録だったからだ。

この時の、楽しい思い、友だちと一緒に走る一生懸命さを出したいと思う。
しかし、自分の姿を客観的に見ることができないので、そのまま描かせても漫画になってしまう。
そこで、運動会のときにその写真を撮っておいた。
さらに、本当は4人で走っているが、3年生には全員の絵を丁寧に書くのは集中が続かないと考えた。

そこで、あらかじめそれぞれ、一人一人の写真を切り取りプリントしておいた。

子どもたちは、この写真を見て喜んだ。
S:この時は楽しかったね。
S:途中まで一番だったんだけどな。
S:でも新記録だからいいじゃない。
S:足が空を跳んでる。
S:足が一本しか見えないよ。
S:手が曲がってる。
S:足も曲がっているね。

この絵に取り組む時間になっても、実は私は、上半身のみの絵にするのか、全身を入れた絵にするのか迷っていた。
上半身だけにして、手をしっかりかき、顔の表情もしっかり描かせたい思いが強かった。
しかし、この子どもたちの反応を見て、体全体を入れようと心が決まった。
一生懸命に走る、躍動感のある足を入れて描かせたいと思ったのだ。



3年生にとって、この絵の一番難しいところは、竹を握る手だと思っていた。
どうすれば、描かせられるだろう?
私が位置を指定し、ウインナーのような指を左右対称に順に4本ずつ、カーブしながら描かせれば可能だろう。
でも、それでは学びにならない。
自分で線をさがして、複雑な手と竹の関係を考えながら、自分なりの手をかかせたい。

そこで、このような手だけの拡大の写真を用意した。まず、手だけの練習をするのだ。

1本の指をマジックでなぞり、
T:この線は、まっすぐ?
S:いいや、曲がってる。
T:どっちに曲がってる?
S:こっち。
T:同じ太さかな?
S:だんだん細くなっている。
T:これと同じ線を描いてかいてごらん。
次の指をマジックでなぞり
T:今度は、この指を描いてごらん。
.......という具合に....

一回ではうまくいかない。
でも
T:すごい上手!!
T:指に見えるよ!!
と褒めてから、あと二回練習をした。 


次第に、子どもたちは、指が竹をつかむ様子を、感じ取っていく。



これで、竹をつかむ手をどう描かせるかという課題を克服できる目処が、立ってきた。

次の課題は、
4つ切りの中に、竹を握る手と、一生懸命な表情の顔と、空を跳んでいる足を、どう描かせていくかだ。
おそらく、「酒井式」の指導をすればそれが可能になると考えた。
しかし、酒井式で行うと、全員が同じ絵になる。
それではつまらない。
子どもたちの持っている写真は、一人一人手の位置も違う、竹の高さもちがう。
顔の向きも違うし、足の運びも違う。手の向きも違う。
それを酒井式で同じように描かせたら、全部同じになってしまう。
この写真を見て、それぞれが自分の力で躍動感のある絵を完成させなければならない。

最初に、竹の位置と、大きさを決める。
それが全体の構図を決める、と考えた。

それぞれに写真の真ん中に、線を描かせた。
・竹の棒は、それより上にあるか、下にあるか。
・どれぐらい上にあるか、どれぐらい下にあるか。
・向きは、水平かどうか。
を確認させ、
それは、画用紙では、どこからどこに向かって描けばいいのかを考えさせた。

 

竹と手が完成したら、
次に顔を描かせた。

.目を描こう。まんが見たいな目じゃないよね。
.鼻を描こう。
.口をかこう。
S:歯が見えるからかいていい!!
.はちまきを描こう。
.あごを描こう。

ときどき、手を休めさせ友だちの絵を見に行く。
いいところがあったら取り入れるのだ。
また、友だちがいい絵をかいていると、自分もがんばろうと思う。

ここまできた、急にどうしてもクラスを1時間離れなければならない出来事が起こった。
助勤についてもらったが、その間、子どもたちだけで、下絵の続きに取り組むことになった。
下半身の「空を跳んでいるような足」の指導を子どもたちに丸投げにするしかなくなったのだ。

所用が終わった。
私がいないと、あの複雑な動きのある足はかけないだろうなと気になって急いで教室に向かった。

教室にもどると、子どもたちが我先によってきた。
S:先生、みてみて。どう!!
S:先生、うまくかけたでしょ!!


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