柔軟運動や、器械運動に取り組み、どうやったら良い指導ができるかが分からず、多くの先生方に教えていただくとともに、それを参考に実際に練習に取り組んできました。
その結果、基本が見えてきた。実際は体を思うように動かさなければならないが、運動が始まると、体の全てを自分のコントロール下に置くことは難しいのです。しかし、逆に「首」「視線」「手の平」「足先」などをその時と種目に応じてコントロールすることで、奇麗な演技ができることが分かってきました。
例えば、首を立てることで体を止めることができる。その首をコントロールするのは実は「首」より容易にコントロールできる、「視線」でした。
さらに幸野先生から、手のひらを下の写真のように絞ること、足先を絞ることで、「首」で体を固定するのと同様に、体を奇麗な形で我慢して保てることを教えていただきました。
つまり、「もっと大きく演技しなさい。」「足先、指先まで伸ばしなさい。」という指示は、指示しているようで指示になっていなかったのです。子どもは、もちろんそのようにやりたいし、やったつもりでいるのです。でも、「それじゃだめ。」と注意され、それじゃあどうしたらいいのととまどうのです。
そのとき、「足の親指と親指の爪を、こんなふうに合わせてごらん。」「両方の手の親指を床に向けてごらん。」と指示することで、足先まで伸ばすことができるし、指先まで奇麗に伸び、さらに足先や指先が伸びることでつっかい棒になり、体が奇麗な姿勢のままぐらぐらせずに保たれます。
これはもしかしたら、オリンピックの体操の選手もそうやって体をコントロールしているかもしれないと考え、オリンピックの種目を見て、写真を調べてみました。
まず、目をコントロールすることで体をコントロールしているものを探してみました。下の写真のように、オリンピックでは、選手は難しい技に挑戦し、体を鉄棒や平均台から高くはなれ着地します。その着地地点と選手の手を結びつけるひもが「視線」だとおもしろいぐらいに分かります。(視線を赤で入れてみました。)
次に、難しい姿勢の中で体を固定して美しく見せなければならないときに、手の平に力を入れ、手を絞ることで体を固定するものを探してみました。(手に緑の印をつけてみました。)
次に、難しい姿勢の中で体を固定して美しく見せなければならないときに、足の親指に力を入れ、足先を絞ることで体を固定するものを探してみました。(足に白の印をつけてみました。)
そう思ってオリンピックをみてみると、ただすごい、のではなく、やはり基本を積み重ね、必然性をもって技に取り組んでいるのだなと感じました。
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