
やっと、光明版授業研究の会の開催にこぎ着けました。本当は昨年のうちに行いたかったのですが、自分の仕事や気持ちがいっぱいいっぱいでなかなか踏み出せませんでした。
9:00から会場を予約していたのですが、いったい何人集まるのだろうと不安でした。ふたを開けたら15人も集まってくださいました。集まったメンバーも、退職した先生から超ベテランの先生、脂ののった若い先生から新採3年目の先生、それから育児休業中の先生まで... うれしくて目頭が熱くなりました。
まず、河島先生にこの会の意義を話していただき、私からはこの会の方針を話させていただきました。そのあと、初回なので自己紹介を行いました。みんな、それぞれの場所で頑張っているんだなとあらためて感じ、力をいただきました。
それから、M先生とO先生が絵を持ってきてくださったので、その絵を皆で見ながらいよいよ研修に入りました。
どちらも顔の絵です。M先生のは1・2年生の複式学級の児童、O先生のは3年生の絵です。ちょうど同じ題材でしたので、比べながら見ることで、どう指導したら全員に満足する絵を描かせてあげられるか、たくさんのヒントが見つかりました。
まず、顔を描くときにはその必然性があるかどうかが大切だと分かりました。
あごを触ってみてその膨らみを感じ、あごから輪郭線をたどるといったん骨を感じない部分があり目の周りにまた皮膚の下の骨が存在することを発見し、目の周りを触ってみてくぼんでいる骨を感じ、鼻から眉毛にかけてつながっていることを感じ、あごや目を動かして筋肉の存在を感じ、首が耳のすぐしたから始まり思いの外太いことを感じ........普段はそんな風に触って確かめることのない顔を調べてみるとおもしろいんだなあと感じる。自分の顔に魅力を感じる。だからすごくリアルに描いてみたくなる。
それから、Ma先生が、「耳ってね、こうひだひだがあって複雑な形をしてるでしょ。もし、このひだひだが無かったら、音の方向が分からないんだそうです。目をつぶっても、音は前からか、横からかわかるでしょ。それは耳が複雑な形をしているからなのです。もし、のっぺりしていたら、目を閉じると音の方向が分からなくなるそうです。
と教えてくれました。こんなことを話してあげれば、子どもたちは耳を、なるべくそっくりそのままの形で描こうとしますよね。これが、必然性です。
次に大事なことは、①教師が指導する ②友達から学ばせる ③各自に任せる部分をハッキリさせることだと分かりました。
顔だったら、口や、目はとても大事な部分です。ここをしっかり①教師が指導しなければ、子どもたちはどんどんあっという間に雑に適当に描いてしまいます。そしてリアリティのない漫画のような顔になります。ここだけは譲ってはいけない部分です。
M先生の指導した1・2年生の顔の絵がどうして迫力があるか、それは口をしっかり指導しているからです。歯磨きの絵ですから、口が大事なのです。
でも、「口をよく見て描こう」という指示は、まだおおざっぱです。もっと「切る」ことが必要です。子どもは、口を大きくかきたい。本物通りに描きたいと思っています。でも、どうしても小さくなってしまいます。なんだか漫画みたいになってしまいます。
そうならないように、「切って」もっと小さい部分を意識させることが必要です。M先生は、「歯」の一つをよく見させ、ぎざぎざしていること、穴があること、厚みがあることを見つけさせました。だから、一つの歯を大きく細かく見て描きました。一つの歯が決まると、他の歯の大きさが決まります。歯の大きさが決まると、舌や唇の大きさが決まります。
M先生は、「歯」をもとにしましたが、S先生は「私なら、のどちんこを丁寧に書かせます。」とおっしゃいました。こののどちんこを描くメリットは、のどちんこを描くと次に舌ベロを描きます。すると、のどちんこと舌ベロの間の空間「口腔」を描くことができ、ここを暗い色にすると奥行きが出てくることだそうです。
O先生の顔は、3年生としたら素晴らしい絵です。もし、O先生が不満を感じるとしたら、「丁寧に見るんだよ」「ゆっくり描くんだよ」「大きく描くんだよ」とよい指示をしているのですが、それが子どもたちに具体的に届いていない所です。
「丁寧に書きたいんだけど、どうすることが丁寧になるの??」「大きく描きたいんだけど、どうやったら大きくなるの??」子どもたちはそう思っているのです。
だから、そうした大事な指示は、全員の作業をやめさせ、「このぐらいの大きさでね
まず一つの歯だけ描きなさい。」というように具体的な指示をだします。
そして「ちょっと、みんなこっちに来てごらん。Aさんは「歯」をよく見て、こんなに大きく、ここまで線を探して描けたよ。いい絵はまねするといいよ。」
などど、先生の指示を理解して表現している子を全員に紹介し広めると、全員が大きな口、力のこもった目になるのだと思います。
それから、口、鼻、目などパーツパーツがばらばらなのは、やはり描く順序を指示していないからです。例えば口を描いたら次は鼻を描きますが、すぐに鼻を描くのではありません。口と鼻はどんな風につながっているのかを子どもたちに発見させるのです。
人間は、おなかの中で進化の過程をなぞります。人間になる直前は、ネズミやウサギみたいな形になり、猿みたいになり....そして人間の形になります。だから、口と鼻も、ネズミの段階ではウサギみたいにつながっているのです。それが徐々にくっつきます。だから、人間の鼻と口の間には、縦にその名残の線があります。
鼻と目だってつながっています。....こうした、つながりは言ってあげれば簡単に意識しますし、言わなければ別々に思考します。..
その後、今度は、国語「短歌と俳句」の教材を分析しました。それは、....
6月下旬に3年生の国語教材「三年とうげ」で研究授業をやります。みなさんの力をお借りして教材解釈を深めたいです。今後ともよろしくお願いします。
教員18年目になります。しかし、中学校経験と育児休業の期間すごし、30代後半で初めて小学校に赴任。四苦八苦してます。
同じ職場には私より、若い方がほとんどで、年上の方が見えても、なかなかじっくり聞いたり、話したりする時間はありません。
こういう形で学べるのは大変うれしいです。
これからもさまざまなことを更新していただけるようよろしくお願いします。
そんな中でも、謙虚に実践を重ね、勉強をしようと情報を求めておられる姿がさすが「プロ」だと感じます。
私の方こそ、nicoさんから色々学ばせていただけたら嬉しいです。
でも、「学年経営のプランを出してこの学年を希望した」とか「学年主任が率先して授業を公開し合っている」とか「教師向けの学びの便りをだしている」とか「育児休暇中なのに勉強したい」「あと2年で退職しようと思っていたけれど、退職はやめて、もう一花咲かせたいと思う。」とかいうみなさんの情熱のある姿を見ると、あ~俺ももっとがんばんなくっちゃ!!と力が出てきます。
トルトリさんと、徹底的に教材解釈したら、またおもしろくなるだろうなと楽しみです。
ここで、いい勉強会を開いて、その思いを出し合って行ければいいなと思います。
私のもっている少人数の算数にも、まったく分からないんだけど、やたらやる気のある子どもたちがいます。テストはできないんだけど勉強大好きなのです。
ここで、さらに勉強して答えてあげたいなと思います。