
以前から、授業研究の会の先生方が皆「レース編み」の絵に取り組んでいることが気になっていた。
何か理由があるから取り組ませているはずだ。
しかし、ずっとその理由が分からなかった。
デザインとして取り組んでいるのか、根気強くさせるためなのか....
ところが、あるとき「レース編みの絵」に取り組む必然性が分かった出来事があった。
竹の子の絵に取り組んでいたときだ。
A君は、絵が好きだ。
下絵は丁寧に線を探してよい仕上がりだった。
しかし、色を塗るとこのようになる。
「線を、踏まないように塗りなさい。」
「線と線の間だけ塗り、線は黒く残しなさい。」
「0.1mmまで、線に迫りなさい。」
と口を酸っぱくして注意するが、気がつくと下絵関係なしにべたっと塗っているのだ。
なぜ、指示通りにしないのか、と残念に思った。
しかし、よくよく考えてみた。
指示通りにしないのではなくて、指示通りにしたいけれど、その技術がない可能性がある・・・・と。
そこで、次の作品では、
彼に線を踏まないで塗る技術を身につけさせてから色塗りに取り組ませた。
そして、彼が完成させた絵が、下の校舎の絵だ。
絵の具らしいきれいな発色だ。
丁寧な下絵を生かす彩色だ。
別人のように、きれいな絵に仕上がった。
このとき、「レース編みの絵」の絵に取り組む意図だ分かったのだ。
いくら口で、
「線を、踏まないように塗りなさい。」
「線と線の間だけ塗り、線は黒く残しなさい。」
「0.1mmまで、線に迫りなさい。」
と指示しても、本人の意図したとおりに筆が使えなければ意味がないのだ。
レース編みの絵で身につけられる力は2つある。
1つめは、筆の穂先だけを使う力が身につく。
2つめは、絵の具を溶く水の量の感覚が身につく。
穂先だけを使うと、水分量が多すぎると太い線になってしまう。
筆に絵の具をつけすぎたら、余計な水分はぞうきんでぬぐわなければならない。
また、白一色といえども、水加減で、
濃い白
薄い白
を使い分けることができる。
最初は、細い筆で練習する。
次第にコツが分かってきたら、太い筆でもできるようにしていく。
実際やってみると、太い筆の方が、含ませる絵の具が多いので
一度にたくさんかけて作業がはかどる。
そんなに大きな用紙でなくていい。
八つ切りの半分の大きさでいいだろう。
45分で十分楽しく集中してできる。
これを、4月に行っておけば、1年間・全員に
「線を、踏まないように塗りなさい。」
「線と線の間だけ塗り、線は黒く残しなさい。」
「0.1mmまで、線に迫りなさい。」
といった、指導ができる。
41回 | 2014年4月12日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
42回 | 2014年5月10日 | 土 | 9:00 | 12:00 | 天竜壬生ホール | 第2会議室 |
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