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支流からの眺め

ウクライナ侵攻に思う

 露国のウクライナ侵攻については、様々な解説や憶測が飛び交っている。かの地は西欧と露国の前線で長く内戦状態にあり、遂に外部からの軍事介入となった。情報も錯綜して、何が正しいかもわかりにくい。その中で現状を端的に言えば、要は、「露国は武力で主張を通し、米国はそれを黙認した」ということである。

 プーチンは、ウクライナのNATO加入を阻止する、露系住民を保護するとして軍事侵攻した。バイデンは、情報を流して警戒を呼びかけたが、一方で米軍派遣はしないと公言した。核戦争をかけたチキンレースに、米国が負けたのである。キューバ危機と逆の展開で、ウクライナは朝鮮半島のように分断される運命にある。

 類推すれば、中共国が核をチラつかせ、台湾内の住民を保護すると称して侵攻しても、米国は直接手を下さないのか。もちろん単純ではない。ウクライナと台湾とでは国情(内戦状態か民主制支持多数か)や地理的条件(隔てるのが平原か海峡か)も異なる。それでも、台湾防衛を強化すべきことは確かである。

 共産党が台湾を軍事制圧すれば、大陸特有の、死者の数を問わない、壮絶な強権統治を実施する。国民党の圧政以上の塗炭の苦しみが台湾住民を襲う。これを避けるには、米国を含む軍事同盟を組み、そこに台湾を入れることだろう。QUADへの参入や、環太平洋条約機構のような新組織が欲しいところである。

 プーチンは強い露国を再現しようとして国際社会の信頼を失った。バイデンは国際協調に務めようとして野性を失った。ゼレンスキーは大衆受けしても非情さが足りない。習近平はプーチンの行動を学習しつつ準備を進める。蔡英文は鉄の意志を示し支持を維持する。岸田は?国の命運は、首長個人の資質に大きく掛かる。


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