(ブログで本を紹介することは、土佐さんに了承をもらっています)
今日は、第3章の紹介です。
第3章
保護者のみなさん、先生方とともに
はじめにの中で、「保護者のみなさんと先生方に送る応援歌です。少しでも我が子の能力を伸ばさなきゃと焦らされているお母さんたち。ふと立ち止まって子育てで大切なことは何なのか、一緒に考え合ってみませんか。」と書かれている第3章。
土佐さんの語りにホッと肩の力を抜いたり、柔らかさと鋭さが混在する指摘にドキッとしたり、ホントにふと立ち止まる…ような内容です。
友達ができない、宿題をしない、そんな日常の悩みから、いじめや教育現場の話まで、多岐に渡ります。
独断でふたつ、引用して紹介します。
第32話
“ほめる”ことの落とし穴
1ヶ月間、忘れ物ゼロだったと賞状までもらった子は今、毎晩4〜5回時間割を合わせ、登校時は、自分の背のカバンを振り返り振り返りするチック症状まで出ているという。みんなでほめ上げ追い込んでしまったのだ。
では、ほめてはいけないのか。少なくとも私自身は、上から目線で、結果やできばえばかりほめ上げたりはしたくないと思っている。そこにいたるプロセスや人としての豊かさについて、自分という人間をくぐらせて「ゆきちゃんが毎日世話してくれたから、ほら、今朝こんなにきれいな花が咲いたよ。先生嬉しいわあ」という言葉を返してやりたい。
今、私は「ほめる」よりも、この「認める、わかる、受け止める」をこそ大切にしたいと思っている。
(p147〜149から引用)
第38話
主人公は誰だ?!
自治能力を育ててこそ
私は、小学校の現場にいたとき、集団作りの中で自治能力を育成することを重視してきた。学級や学校を作るのは誰だという思いで。
新しいクラスを持つと「みんなはどんなクラスにしたいの?こんなことやったら学校が楽しくなる、こんな勉強なら面白くなるということはないかな?」と呼びかけ、要求を育てることを大事にしてきた。
要求というのは耕し意識化させて育てていかなければ眠らせてしまうのだ。派遣労働のような働かされ方を当たり前だと思わされている若者は、権利が侵害されても怒りすら覚えなくさせられている。
ここで大切なことは、こうした要求を実現させていく道すじを学ばせることだ。同時にどんな要求も出したい放題ではなく、その要求の妥当性をみんなで論議すること。そして、その実現のためには約束事や自主規律が必要なことを学ばせていかなければならない。
こういう自治能力の形成を積み上げていくことが、国の政治も自分らで作るという意識を育てるのではないかと改めて考えている。
(p171〜173から引用)
ぜひ、『マジョリン先生おはなしきいて』を読んでください!
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