2014年9月5日 宮古毎日新聞
総合防災訓練への自衛隊と米軍参加に反対する声明
新聞報道によると防衛省統合幕僚監部は1日、沖縄を訓練場所として、3~6日の日程で、陸海空3自衛隊が参加する離島統合防災訓練を実施すると発表しました。離島防災を目的とした3自衛隊統合の訓練は初めてです。
防衛省によると、訓練は大津波を想定した沖縄主催の防災訓練への自衛隊艦艇や航空機の参加と、伊豆大島でも使われたホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)の陸揚げ場所の調査が柱で、防災訓練は宮古、多良間、伊良部の各島、陸揚げ調査は渡名喜、粟国の両島で行い、調査には県庁や村役場の職員が同行するといいます。
防災訓練には、海自輸送艦「しもきた」や陸海空のヘリコプターなどが参加し、洋上の「しもきた」から宮古島にLCACで陸自の要員を輸送したり、ヘリが多良間と宮古の間で被災者を運んだりすることになっています。
また、下地島空港を駐機場として3~7日に使用し、3、4両日はCH47ヘリ1機、県の総合訓練がある6日はCH47が4機とUH60ヘリ1機が駐機するということです。
日本は環太平洋造山帯に位置する地震大国であり、さらに最近の気象変動により災害が多発する傾向にあり、私たちは普段から防災への備えを怠らないようにすべきです。
しかし、これまでにない陸海空自衛隊と米軍が参加する「防災訓練」は、艦艇や自衛隊機や揚陸艇などが結集し、下地島空港を自衛隊機が使用し、まるで「尖閣」での有事を想定した統合軍事作戦訓練と受け取れるもので、今回、沖縄県しかも主に宮古地区でおこなわれることは重大な意味を持っています。
現安倍政権は、大多数の反対する民意を無視して、「集団的自衛権行使容認の閣議決定」を強行し、戦争する国作りに突き進んでいる中、沖縄県与那国島への自衛隊新基地建設の着工を初め、奄美諸島にもミサイル基地を建設すると通知しており、宮古地区にも先だって6月11日に、防衛副大臣が市長に対して「自衛隊配備計画」の説明に訪れました。
琉球列島全域を自衛隊と米軍で共同使用する軍事要塞化の計画が推し進められている、その最中での「総合防災訓練」であることを忘れてはなりません。
さらに、宮古では「平成26年度沖縄県総合防災訓練実施要綱」に在沖米軍が参加すると明記され、多良間村では米海兵隊が参加すると村民に通知されています。主会場の平良港下崎埠頭への市民の見学を放送や新聞などで呼びかけている一方、主会場付近の海上やトゥリバー海浜公園は立入禁止区域とされています。
見学可能な会場では、好印象の「人命救助の訓練」が展開され、それを目くらましに、立入禁止区域では、米軍と自衛隊の軍備が戦闘を想定して戦争訓練が展開されることが予想されます。
このような背景と意図をもった、「防災訓練」という名の軍事訓練・戦争訓練を、私たち市民は決して認めることはできません。また、「防災訓練」への米軍の参加に抗議し、自衛隊と米軍の軍事機能強化のための総合訓練に断固として反対し、住民が主体となった防災訓練の実施を求めます。
2014年9月4日
宮古平和運動連絡協議会
平和運動センター宮古島