宮古毎日新聞仁投稿したが、載らなかった。原稿の差し替えとか、載らない理由はいろいろあって、仕方がないが、文章中の数字も詰めていないが、ざっくりとした一市民の思いとしてここに載せる。
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千代田の御嶽が怒っている
下地川満 中村普作
旧い話になるが、5月17日の本紙に、先の伊良部島南部の長期断水に関して宮古島の今後の水事情を憂慮するコラムがあった。詳しい数字を挙げて分かりやすいコラムだったが、もう一つ、大事なことが抜け落ちていると感じたのは私だけだろうか。
いま、千代田では陸上自衛隊駐屯地の工事が急ピッチで進んでいる。ここまで前のめりに工事を進めるのは、安倍政権や陸自自らの隠ぺい改ざん問題、国際情勢の変化がある前に、行けるところまで行って後戻りが出来ないようにする思惑なのだろう。周辺を削り取られる御嶽に、権力によって蹂躙される宮古島を見る思いがする。
その工事現場で、粉塵防止や工事車両の車体やタイヤの洗浄などに使用する水道水の量は、確認できる範囲でも1日約百から2百世帯分。島外からの工事関係者が千人規模、配備が現実となれば隊員とその家族を合わせれば2、3千人。これに基地そのものが使う量を合わせると、少なく見ても観光客の使用量に匹敵するものと思われる。
もともと必要な水量の確保も心もとないずさんな基地建設計画である。下地敏彦市長は今回、伊良部の断水を設備の不備によるものとして、早く幕引きを図ろうとしているが、市上下水道局は 原因は複合的なものとしている。市長のいい加減な対応で、あとで困るのは私たち市民である。
もっと重要なのは、話が浮上している宮古空港の地下を横断するバイパスも、ミサイルの秘匿壕に使われるのではないかと、うさん臭いものを感じる。島全体には断層が走り、それが地下水の貯水池となっているが、工事で地下水脈の破壊や汚染、地盤の崩落が起これば大惨事になり、その影響は計り知れない
また、そのコラムの中で「宮古島の年間観光客が百万人を超えるのも間近」とあった。だが自衛隊が増強配備されればそれはあり得ない。迷彩色の軍事車両が街を行きかい、空にはオスプレイが飛び、クルーズ船のためにと整備された港には軍艦が並ぶ。日米の合同演習も必ずある。こうして何もかもが宮古島の軍事要塞化に向けて動いている。それが宮古島を守るための「抑止力」でもなんでもないことは、防衛省・自衛隊の文書にも明記されている。アメリカの若者が死なないために、島の住民と自衛隊員が犠牲になるだけだ。
普段は何も言わない市民でも、いったいこれからどうなるのだろうと不安に思っている。ホテルの建設ラッシュというが。その実態は陸自配備を目当てに不動産バブルが沸騰、家賃も高騰しているらしい。その恩恵を被るのは一部の人たちだけで、宮古島で生まれて、宮古島で生きたいと思う宮古島の若者が、宮古島で生きづらくなる現実。これが誘致派の方々の言う自衛隊の経済効果というものなのか。
実戦部隊のいない宮古島に新基地を作り、住民、とくに子どもを、事件、事故に巻き込み、最悪、戦場と化すことを危惧する。それはこの基地を作る大人の責任である。
2018年6月11日
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