宮古高校3年 仲間元春さん ・ 宮古高校1年 平良麗さん
私たちの住む島・沖縄には、鳥のさえずりや風に揺れる木の葉の音、そして、海辺では波の音が聴こえます。またこれらの自然の音だけではなく、元気な子どもたちの声や三線の音も響きます。しかし、米軍の飛行機が上空を通ると、一瞬にして私たちの音はかき消されてしまいます。
私は部活の遠征で沖縄本島に行ったとき、基地の周辺を通る機会がありました。そこでは、米軍の飛行機が上空を飛び交い、耳を覆いたくなるような、すさまじい轟音に衝撃を受けました。
その米軍基地周辺では、騒音問題や墜落事故がこれまで何度も発生してきました。1956年には宮森小学校、2005年には沖縄国際大学でも墜落事故が起こりました。学校とは、私たちが新しいことを学び、新たな友人をつくり、「未来を創造する場所」です。その学校で墜落事故が起こり、人々の命が危険にさらされ、未来が閉ざされるような悲劇が起こりました。
このように、騒音問題や墜落事故が発生している中、世界でもっとも危険な基地といわれている普天間基地に、、世界でもっとも危険といわれる「オスプレイ」が配備されようとしています。このオスプレイは、諸外国で何度が事故を起こしており、100%安全とはいえません。また、オスプレイは「未亡人製造機」とも呼ばれ、飛行する場所に住む人だけでなく、操縦しているパイロットの家族をも巻き込みます。
私は、沖縄本島に友人がいます。親戚もいます。もしも、今後、オスプレイが飛び交い、事故を起こすことがあったら、私はかれらのことを思うと、心配でたまりません。彼らの命の保証を100%にしてください。
ところで、私たち10代の高校生や中学生は沖縄が考える問題について深く考えることは少ないと思います。私もその一人でした。しかし、オスプレイ配備問題を通して、平和について考えるようになりました。今こそ、私たち若い世代も、自分たちが住む沖縄の将来について、真剣に考えなければならない時がきたのではないでしょうか。幸い、この宮古島には米軍基地がありません。しかし、将来、下地島に飛来することが懸念されます。もし、そうなってしまったら、この島の音はどうなるのでしょうか。この島には、この島にしかない音があります。それは決して軍用機の音ではありません。それは、この島に住む、たくさんの動物や植物、そして人々が生活している「命」の証しとしての「音」なのです。
昔から、沖縄に伝わる「命どぅ宝」という言葉があります。「命こそ宝」という意味です。すべては命あってのものです。今こそ、その言葉を大人から子どもまでみんなで、沖縄の心の声として発信し、命を大切にする未来を紡いでいきたいと思います。