50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

幸男はそうしながら、頭の中の画面に着飾った理恵を・・・

2015-10-18 18:18:33 | 小説
幸男はそうしながら、頭の中の画面に着飾った理恵を映しだしている。だから顔を両手で叩くのだが、瞬間あの岬で春風の潮の香りの中に包まれ、支えた手の感触がくる。それを幸男は思わずその声で打ち消した。幸男はこうした男で罪がない、理恵はいい気なもので、有名人の傲慢さが一地方の平和な家庭を崩しかねない、罪深いものといわなければならない。

(つづく)


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