そのうち御堂筋のデートは終わる。歩道の影が股に迫って日だまりを犯していくから。・・・・・・
啓は、ちらちら目を射った太陽がうらめしい。
「鳩はほんとうは御堂筋に何しにきやはったと思う?」
また啓の耳を疑わせることを和子は口にした。謎なぞ遊びでもなさそうだった。目の前を通りすぎる人らの頭越しに放って、和子はしゃあしゃあとしたものだ。空腹をがまんしながらそう言ったからには、啓の気分を理解していた。そのような思いにさせて啓を喜ばせている。やはり和子も夢を抱いた二十歳に違いなかったのだとか。啓は閃いて答えを出した、空想の中から言う。
(「南幻想曲」つづく)
啓は、ちらちら目を射った太陽がうらめしい。
「鳩はほんとうは御堂筋に何しにきやはったと思う?」
また啓の耳を疑わせることを和子は口にした。謎なぞ遊びでもなさそうだった。目の前を通りすぎる人らの頭越しに放って、和子はしゃあしゃあとしたものだ。空腹をがまんしながらそう言ったからには、啓の気分を理解していた。そのような思いにさせて啓を喜ばせている。やはり和子も夢を抱いた二十歳に違いなかったのだとか。啓は閃いて答えを出した、空想の中から言う。
(「南幻想曲」つづく)
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