新函館北斗駅の前身は渡島大野駅。その前身の本郷駅時代に建てられたランプ小屋が駅前広場に保存されています。北海道新幹線の開業により現在の位置に移設されました。
初代函館駅から本郷駅(現新函館北斗駅)まで開通したのは1902年(明治35年)
それから9年後の1911年(明治44年)に建てられました。
明治44年と言えば帝国劇場が開場した年ですね。
北海道鉄道黎明期の建築物ということで歴史的価値は高いと思います。
煉瓦建築ラッシュで生産量も多かった時代であることが伺えます。
イギリス積みで扉は堅剛な鉄製。
屋根はトタンですが立派なケラバが付いているので見栄えは悪くないです。
移設した際に再塗装が行われたようです。
レンガ造りの弱点とも言える扉上部のアーチの亀裂も見られず、状態は良いです。
しかしレンガ建築物の移設はどうやって行うのか気になるところです。
曳家をするにしても基礎ごと浮かせないとバラバラになってしまいそうな気がして…
裏側は鉄格子付きの窓が1つあるだけです。妻面に窓はありません。
中は確認できませんが、旧渡島大野駅時代は倉庫として使われていたと思います。
峩朗鉱山の石灰石や演歌歌手三橋美智也生誕の記念碑なども一緒に展示されています。
いっそのこと小さな記念館にでもしてくれないだろうか?
函館地区の設備訪問は一区切りとします。