ハワイ・Surfside Recordsからのリリース。正確な制作年は不明ながら、同レーベルのカタログナンバーを辿るとレーベル第一弾のSF-101 が「The Cool Touch Of Ohta-San」、次いで「Cool Strings And Ohta-San(SF 102)」、「Ohta-San's New Thing(SFS 103)」とオータサン作品が68年まで続き、そのあとが本作(SFS 104)である事や、タイトル曲(の原曲バージョン)が映画『007 カジノロワイヤル』の主題歌で1968年のアカデミー主題歌賞にノミネートされた経緯からも、恐らくは1969年頃の作品であったろうと推察する。同レーベルからは四作目のアルバムという事になる。
前作に続き、ここでもアレンジャー&コンダクターにSeiji Hiraokaを起用(これで三作連続のコラボレーション)、タイトル曲はもちろんバート・バカラックの有名曲。プロデュースはDon McDiarmid,Jr。
収録曲は以下
(※レーベル面には以下の曲順で印刷されている為そのまま踏襲するが、実際はタイトル曲A1はB3と入れ替わって収録されている。)
A1 The Look Of Love
A2 Talk To The Animals
A3 Valley Of The Dolls
A4 Love Is Blue
A5 Live For Life
A6 The Good, The Bad & The Ugly
A2 Talk To The Animals
A3 Valley Of The Dolls
A4 Love Is Blue
A5 Live For Life
A6 The Good, The Bad & The Ugly
B1 A Man And A Woman
B2 Sunrise, Sunset
B3 Watch What Happens
B4 Suddenly
B5 Exodus
B6 If Ever I Should Leave You
B2 Sunrise, Sunset
B3 Watch What Happens
B4 Suddenly
B5 Exodus
B6 If Ever I Should Leave You
サウンドは前作とはまた趣向が変わり、洗練された大人向きの落ち着いたテイストを醸し出す。例えるならマーチン・デニーのような、60年代ラウンジ系音楽。アンドレ・ポップ作のA4はのち1973年のアルバム「Song For Anna」への伏線と捉えることもできる。
なおオータサンの作品を発表するためにHula Recordsの別レーベルとして設立されたSurfside Recordsからのリリースはこの後いったんオータサン名義のアルバムから離れ、本作にもアレンジャーとして参加の日本人音楽家Seiji Hiraoka(平岡精二)が編曲兼ビブラフォン奏者として自己名義で発表したアルバム(SFS-105)、次いで女性歌手Linda Greenのデビューアルバム(SFS-106)と続いてゆく。(後者ではオータサンもHerb Ohta名義で作曲家として共作を含め8曲を楽曲提供しており、うち1曲はなんと後にウクレレメーカー「コアロハ」を興すことになるパパ・コアロハことアルヴィン・オカミ氏との共作。)
本作では裏ジャケットにきちんとライナーノーツが掲載され、オータサンの経歴も(同レーベルから4枚目にしてようやく)紹介されている。これによるとアメリカ本土(Decca)での二枚のアルバムと、日本(ポリドール)での一枚でレコーディング・アーチストとしての経歴をスタートさせたのち、知人であるマーチン・デニーの紹介で地元ハワイのローカルTVに出演、その後Hula Recordsに紹介されてSurfsideレーベルよりハワイでのデビューに至っている。