ウクレレとSwing(スヰング)音盤

Ukulele (1994) / Herb Ohta


ハワイからの輸入盤の国内流通や、国内ミュージシャンへの客演などいくつかの過程を経て、いよいよオータサンが日本のレコード会社(フォーライフ)と契約。本作は『ウクレレの名手として名高いハーブ・オオタの日本デビュー盤 』という触れ込みであった。(60年代には既に日本デビューを果たしているので、厳密には「CDの時代に再デビュー」という言うべき。)

1. JUST IN TIME
2. WHILE MY LADY SLEEPS
3. WAITING FOR YOU
4. MALAGUENA
5. MY FUNNY VALENTINE
6. TAKE THE″A″TRAIN
7. IN THE MOOD
8. CAROLINA
9. MOONLIGHT SERENADE
10. MIDNIGHT TRAIN
11. HERE TODAY GONE TOMORROW

4曲(4,6,7,9)でソプラノ・ウクレレを弾いているが、8.では6弦ウクレレ、他の曲ではテナー・ウクレレを演奏している。本作ではソプラノはソロ演奏、テナーはアンサンブルと使い分けたようだ。ソロ演奏ではラテンの4、エリントン・ナンバーにグレン・ミラーと「いつものオータサン」で、その他の曲では色々新しいことに挑戦して(させられて)みました、といった具合で、バラティに富んだ内容。1.はバイオリン入りアコースティック・スイング、2.はラテン・フュージョン、5.はジャズバラードで8はボサノヴァ、10.はAOR風。面白いのは2曲(3,11)でオータサンがまさかの歌声まで披露しており、さすがJ-POPのフォーライフである。

オータサンの他にハワイからキーボードのPaul Markが参加。この時期多くの作品で共演しているので、日本(再)デビューに際して、助っ人に呼ばれたのだろう。一部はハワイのAudio Resourceスタジオでも録音したようだが、他のミュージシャンやスタッフは日本勢で固めたようである。

フォーライフは90年代後半になると主力アーチストの移籍が相次ぎ経営が悪化、2001年には倒産してしまうが、オータサンもこの翌年にもう一枚製作したのち、移籍している。2000年代に入って事業継承したフォーライフミュージックエンタテイメント から、二枚のアルバムから編纂したベスト盤が一枚出されている。


こういうブックレットに掲載されたポートレート写真もJ-POP風の装い。



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