ニーナ・ケアリイヴァハマナは、ラジオ番組「ハワイ・コールズ」に1958年から1974年の長きにわたりソロ歌手として出演を続けたハワイ音楽の大物女声歌手。番組を降板後はロイヤルハワイアン・ホテルに出演を続け、ハワイのツーリズム黄金時代をその歌声で飾った。
本盤はオータサンとのダブルヘッダー名義となっているが、通常の音楽アルバムの作りとはちょっと異なるようだ。作品の作りとしてはまさにニーナ・ケアリイヴァハマナが長年、主戦場としたラジオの音楽バラエティ番組「ハワイ・コールズ」やハワイの一流ホテルで夜な夜な開催されるルアウ・パーティのように、次々と一流の演者が入れ代わり立ち代わりステージに登場しては一流の芸能を披露するエンタテインメント・ショー仕立ての構成となっているのが面白い。ニーナ・ケアリイヴァハマナに対するリスペクトといった事であったろう。
曲によって演者が異なるが、この二人のダブルヘッダー名義のアルバムという事に違和感はなく、むしろその事でかえって目立たない存在ながら、作品の充実度ではオータサンのディスコグラフィでも屈指の隠れ名盤であろう。おおまかには全13曲収録中、ニーナ・ケアリイヴァハマナが5曲で歌っている他は、曲によって別の歌手がリードを取ったり、またはボーカル無しのインスト・トラックも含まれる。一方オータサンは6曲でウクレレを奏でているが、単なる伴奏というものはなく一聴してすぐオータサンとわかるソロ奏者としてフィーチャーされており、看板に偽り無しといえよう。その他の楽曲で演奏するウクレレ奏者はじめとする楽器演奏陣はいずれもハワイを代表する豪華メンバーで、ざっと挙げるとウクレレにベニー・カラマ、バイロン・ヤスイ、スティールギターはアラン・アカカ、ギターのDanny Otholtはオータサンのアルバム"Chotto Matte Kudasai - Wait For Me (1995) "でも素晴らしいジャズギターを聴かせていたし、またベースのライル・リッツ、キーボードのPaul Mark、ギターのジミー・フナイなどはいずれもこの時期のオータサンのレギュラーメンバーで、いずれもハワイの第一人者級メンバーが揃っている。
(Vocals)
Gary Aiko
Iwalani Kahalewai
Nina Kealiiwahamana
Leilani Kuhau
Nanri
Joe Recca
(Musicians)
Alan Akaka(スチールギター)
Bob Albanse(ピアノ)
Jerry Byrd(スチールギター)
Jimmy Funai(ギター)
Benny Kalam(ウクレレ)
Paul Mark(シンセサイザー、ピアノ)
Herb Ohta(ウクレレ)
Noel Okimoto(ドラム)
Hiram K Olsen Jr.(スラック・キー・ギター)
Danny Otholt(ギター)
Lyle Ritz(ベース)
Byron Yasui(ベース、ウクレレ)
1. Kipahulu
2. Waikiki
3. Rose Medley
4. Follow Me
5. I'm Going to Maui Tomorrow
6. Mi Nei
7. Pua Mae'ole
8. Sands of Waikiki
9. Le Lokelani
10. I'll Remember You
11. E Ho'i I Ka Pili
12. South Sea Island Magic
13. Ka Makani Kaili Aloha
Gary Aiko
Iwalani Kahalewai
Nina Kealiiwahamana
Leilani Kuhau
Nanri
Joe Recca
(Musicians)
Alan Akaka(スチールギター)
Bob Albanse(ピアノ)
Jerry Byrd(スチールギター)
Jimmy Funai(ギター)
Benny Kalam(ウクレレ)
Paul Mark(シンセサイザー、ピアノ)
Herb Ohta(ウクレレ)
Noel Okimoto(ドラム)
Hiram K Olsen Jr.(スラック・キー・ギター)
Danny Otholt(ギター)
Lyle Ritz(ベース)
Byron Yasui(ベース、ウクレレ)
1. Kipahulu
2. Waikiki
3. Rose Medley
4. Follow Me
5. I'm Going to Maui Tomorrow
6. Mi Nei
7. Pua Mae'ole
8. Sands of Waikiki
9. Le Lokelani
10. I'll Remember You
11. E Ho'i I Ka Pili
12. South Sea Island Magic
13. Ka Makani Kaili Aloha
本盤はその企画と構成から言って、音盤全体をトータルで楽しむ事で作品が本来意図した感動が味わえるコンセプト・アルバムと思うが、ここでの収録曲中、1.だけはのちにビクターが編纂した編集盤"Hawaii - The Best Selection from M & H Hawaii (2010)"にレア音源ボーナス・トラック的に再録されたので断片的にそこで聴く事もできる。レーベルはM&H Hawaii、プロデューサーはおなじみミチコ・ウラタだが今回はExecutive ProducerとしてTakiko Nanriが大きくクレジットされている。ボーカル陣のひとりNanriと同一人物かもしれない(「南里」さんだろうか?)。
拙宅の盤は中古で手に入れたが、前オーナーがスチールギター愛好家だったらしくジャケットにアラン・アカカ氏のサインがある。(この人もハワイの第一人者)