ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ウクレレの神様 ウクレレ・ソロ・パフォーマンス (1997) / ハーブ・オオタ

1997年に日本のリットーミュージックがリリースしたオータサンのDVD。同社からのオータサン映像作品としては、先に93年リリースの「ミスター・ウクレレ」があり、本盤が第二作だった。

1997年というタイミングを考えると、オータサンがアルファ・ミュージックを離れビクターと契約。そこにはオータサン最大の支援者であり、日本におけるウクレレ・リヴァイバルの立役者となった関口氏がメンバーであるサザン(・オールスターズ)が看板スターとして在籍していた、という背景は「Wonderful World of Ukulele (1997)」の項で既に触れた。本作品もまさにそうした背景を反映し、憧れのオータサンにウクレレを習いたい関口氏を生徒役に、比較的簡単なウクレレ独奏のレパートリーをオータサンが個人レッスンのようにゆっくりと一緒に弾きながら教えてくれる、という趣向で作られている。通常のライヴ映像以上に演奏中の手元をカメラがしっかりと映しており、ボサノヴァ曲の時に頻出するパーカッシブな擬音を交えたコード伴奏のような独自のテクニックもゆっくりと実演解説してくれる様子を見ることができる。

そのレッスン部分の6曲はオータサンの多くのレコーディングで使われたCommercial Recording Studioで撮影され、オータサンも少人数での録音ならここが一番、と本編中でも言及している。関口氏との会話中では後に「Ukulele Bach (2000)」としてリリースされる事になるレコーディングにも触れていたり、盟友ナンドー・スアンについても言及がある。

後半には二人で一緒にカマカの工場を見学する映像に加え(オータサン・モデルもしっかり登場)、クイーン・カピオラニ・ホテルでのオータサンとナンドー・スアンの二人による当時レギュラーで行われていたというライヴ演奏の映像も2曲収録されている。ウクレレ再ブームを受けて非常に盛況であった様子を映像で見ることができる。2曲ともレッスン部分で取り上げているので、貫禄の模範演奏といったところ。

(収録内容)
・関口氏とのレッスン(「星に願いを」、「Where is my love tonight(93年の同名アルバム収録曲)」、「ジョニーギター」、「クレイジーG」、「ムーンリヴァー」、「イパネマの娘」の6曲) 印刷された全曲の譜面とコードチャートがディスクに付録で同封されている。
・カマカ工房レポート
・クイーン・カピオラニでのライヴ/共演 ナンドー・スアン - guitar
(「Where is my love tonight」、「イパネマの娘」の2曲)
収録時間75分



ディスクに付録の譜面とコードチャート。
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