盛大な回り道を経て、ようやく辿り着いたそごう劇場だったが、
あらかじめHPで確認していたとわいへ、
最早、口が裂けても小劇場とは呼べないこのセレブな雰囲気は一体・・・
インテックス大阪からここまでの行程に膨大な全力徒歩区間が含まれるため、
全くの軽装でここまでやってきた我が身には、
なんとも相応しくない豪華な作りでわないか。
改装前ならまだしも、ゴージャスに生まれ変わった老舗百貨店の風格には、
やっぱ気圧されちゃうよねえ~こちとらバリバリの庶民だしねえ~
そもそも出演者の顔ぶれからして、
舞台関係には極めて限定的な知識しか持ち合わせていないワタシですら、
聞き覚え&見覚えのある役者さんが並んでる時点で、
「下北サンディーズ」的な小劇団のノリを期待してはいけないことは、
重々承知してたつもりだったんだが・・・
なんか思った以上に敷居高いよなあ~と思ったのは開場するまでのほんの数分で、
中に入ってしまうと、揃いのTシャツ姿の売り子さんがいたり、
妙に愛嬌のある着ぐるみが歩き回ってたり、緞帳無しだったり、
極めてリアリティー(生活感ともいう)のあるステージセットだったりで、
会場の豪華さとは明らかにノリと空気が違う。
典雅な弦楽四重奏曲が似合いそうなしつらえの客席とは裏腹に、
うちの職場の事務所で使ってるのと同じホワイトボードがあったり、
壁の張り紙になぜか「桂ざこば」と書いてあったり、
歴代師範の肖像写真の中にちゃっかりタイソンさんが混じってたり、
そのタイソンさんと清水さんで爆笑前説やったり・・・
すでに小劇団レベルではないが、極力敷居は低くしておきたいという、
劇団主催者側の心意気は充分に伝わってきたよ。
その爆笑前説漫談のクライマックスが、この事前携帯画像撮影会ですよ。
「はい皆さん携帯出してくださ~い」とくれば普通、
「電源をオフにしてくださ~い」と続くのが相場と決まってるんだが、
「電源をオンにしてくださ~いカメラを起動してくださ~い」
「撮った画像はブログで記事にしてくださ~い」
・・・ですからね。
しかし咄嗟に旧型携帯で撮った画像はコノザマで・・・(-_-;)
主催者側の気概に感嘆すると同時に、
やっぱそろそろ機種変更せんといかんなあ~と強く思ったぢゆんこであった。
そして遂に・・・遂に・・・目の前にリアルひーさまがっ!!
白い稽古着に黒袴姿も凛々しく、各種画像で見た通りの癒しスマイルで・・・
いや、待て。
男袴ってローウエスト気味に腰紐締めるハズなんだが、
なんかどエラい高い位置から袴が始まってますが、
もしかしてその中身は全部足ですか?
嗚呼~~~確かに、客席に背を向けて礼をした時のヒップラインからして、
あの辺から腿が始まって、そこが膝頭で、後は全部脛なのか~~~~
うおおお~これぞまさしくリアルツルギ足~~~~~
いえ、別にひーさまが生足晒してるわけじゃなくて、
ワタシが邪眼力で勝手に透視してるだけです。
その後姿の首筋から背中の線が、
まさしく最終三部作で星斬丸持って消えるときのヒカリそのもの~(´д`*)
・・・ってアタリマエだろ本人なんだもの。しっかりしろよ自分。
ちなみにひーさまが演じる中野仁司は、居合い道場の門下生三人組の一人で、
いわゆる典型的な善良系のっぽさんキャラという感じ。
しかし三人揃って何度も「はいっ」と返事するシーンで、
なぜかひーさまだけことごとくタイミングが早い。(つ∀`)
思い返すと、序盤に緊張してたぽい役者さんが結構いた気がする。
やっぱ大阪公演の初日で、しかも1回目だったからなんだろか。
が、
これがひとたびアクションシーンともなりますと、まさに水を得た魚群!
皆さん走る走る!暴れる暴れる!
舞台両袖+セットのドア二つを駆使して、駆け巡る青春大会ですよ。
これがコロシアムバージョンになると、一体どうなってしまうんだろうねえ~
でもって、ひーさまの卓越した技量とセンスを堪能できたのが、
①前半の「居合いでエクササイズ」と、
②後半の「謎のコサック格闘家」と、
③終盤の「人格豹変」であります。
①は「ひぃふぅみぃよぉ」の掛け声と共に、
居合いの型を使った振り付けで舞い踊るひーさまがね・・・もうね・・・
なんかいきなり目つきが変わって、表情がきりりと引き締まって、
ザムシャーを思わせる所作を見せたかと思うと、
軽やかにステップを踏んでくるくる踊ったりして、
その仕草の一つ一つが機敏かつ優雅かつ力強くて・・・(つдT)
いやもうこれを見ることができただけでも、チケット買った甲斐があったわさ。
②は一見怪しいロシア人なんだが、これがまた暴れるのなんのって・・・
いわゆる旋風足の超拡大版みたいな大技の連発で・・・
なんか側方宙返りっぽい体勢で鬼長い足がぶんぶん回ってるみたいな・・・
ウルトラマンでもこんなん見たことないぞ~~~~~っ
③はいよいよ敵陣に乗り込むぞーってところで、
いきなり熱血闘魂系に人格が豹変してしまうんだが、
声も顔つきもそれまでの中野くんとは完全な別人というか、
その死ぬほどカッコいい見得の切り方は、
まさしくガワなし変身!
いえね。どうせ人格変えちゃうなら、
前半でもうちょい「凡人キャラ」を強調しといて欲しかったな~とかね。
門下生仲間の目黒くんと彩ちゃんがラブラブになった時も、
暖かく見守ってるだけじゃなくて、
指くわえながら「いいなあぁぁぁ~」と身悶えするくらいの事はして欲しかった。
これはワタシの勘違いかも知れんけど、
中野くんてのは、主役のマサキさんのプロトタイプみたいな人で、
いよいよとなると自分自身すら知らなかった、
もう一人のスーパーヒーロー体質な自分が覚醒する人なのかと。
そういう不破流吉糸道場の秘密兵器的な存在なのだとすれば、
前半でもっと「ウドの大木」的な、
すっとぼけ~な演出があってもよかったんじゃないかと。
ヱ?単にもっと色々なひーさまが見たかっただけだろって?ああ、その通りさ。
そういう意味では、マサキともう一人のマサキ=カムラとか、
同じ顔した双子に別人格を演じさせた下月兄弟より、
一人二役感があってお徳~♪だったとも言えるわけだ。よし。そう解釈しとこう。
しかしこの舞台の凄いところは、当然ながらアクションシーンだけではない。
ワタシ的に大注目だったのが、そのカムラ役の林修司さんの妖艶な美しさだ。
通常、濃い顔好きのワタシがこういうタイプに見とれることは滅多に無いのだが、
この人には得も言われぬ「艶=つや」があるわ~かなりヤラレタわ~
あと、普通にしてれば超二枚目なのに、なぜそこまでして笑いを取るんだ~~~
という中村誠治郎さんの「素でボケる」芝居が面白すぎてもうね。
笑わせるシーンで当然のようにがっちり笑いを取ってしまう、
山岸拓生さん(なんと一人6役)と、
森大さん(目黒くん)の両爆笑王の怪演ぶりも特筆に価するが、
中村氏の場合はそれが完全な不意打ちの連発だったりするところがもうね・・・
そしてこのはっちゃけてる舞台をびしっと引き締めてるのが、沢木順さんだ。
老いて病に伏していようとも、微塵も乱れぬその所作の美しさといったら・・・
さらにカーテンコールで、フリフリブラウスとぴっちりパンツで、
「ジーザスクライストスーパースター」を熱唱するお姿ときたら・・・
ワタシ、実は↑のハリウッド版のレーザーディスク持ってるですよ。
かなり前に日本語版のミュージカルが上演されたことがあるとは聞いてたけど、
まさか今ここで、ライブでそのメインテーマを聴かせてもらえるなんて・・・
も う 号 泣 す る し か な い だ ろ
タイソンさんがうっかり漏らしたところによれば、
すでに63歳でいらっしゃるとか。
なのにその体の線には一点の崩れすらなく・・・
若者よ、見習って日々精進せいよ。
というわけで、最後にとんでもないサプライズというか、
超特大のご褒美をいただいたぢゆんこであったが、
しかし去りがたい想いにかられつつも、明日の仕事に備えて、
早々に大阪駅へと向かわねばならなかった。
30-DELUX関係者及び各出演者の皆様、
ワタシは素晴らしいものを見せていただきましたよ。
もちろん、DVDもしっかり予約しましたとも。(届くの半年先だけど)
というわけで、皆様。
この癒しスマイル(´∀`*)付きパンフレットとDVDだけは、
是非とも入手していただきたい!と字を大にして言いたい。
どっちもプロセミアム&コロシアムの両バージョンが用意されているのだが、
両方とはいわないから、(ワタシもプロセミアムのみだし)
どちらか片方だけでも是非ご覧になっていただきたい!
さあ、今すぐ30-DELUXに問い合わせのメールを送るんだ!
~以下、ガワなし日報番外編(余禄)につづく~