ガワ萌ヱ日報

わずかな情報と膨大な妄想で構成された、ガワ萌ヱな人のためのWEB壁新聞です。

ハヤブサは不死鳥になった

2010年06月25日 16時55分24秒 | 未分類
ちょっとつぶやくだけで勝手にブログが更新される、という便利さに依存してたけど、
やっぱり時々、無性に長文を打ち込みたくなるぢゆんこです。

すっかり隠居状態になっている旧パソではありますが、
こういう時はやはり慣れ親しんだキーボード配列が手に馴染む。
なにより図体がデカいだけあって、FLV以外の動画再生能力ならやっぱこっちが上!
後から追加した、キャプチャ機能付きのアプリケーションが動かないのが致命的だけど、
文章入力とかWEB動画再生とか、基本機能はいまだに無問題なんだよねえ~

流石は 「はやぶさ」 と関係が深いNEC製だけのことはある!・・・かもしれない。
ということで、NECのはやぶさ関連動画のリンクを貼っておく。
ま、百聞は一見にしかずってことで、ワタシの駄文はスルー推奨だが、
こっちはがっつり見てやってくださいまし。


7年間の宇宙の旅を終えて。絆が生んだ奇跡の旅「HAYABUSA」




正直言って、まさかちゃんと帰ってくるなんて思ってもみなかった。

小学生の時に図書室で見た 「プレアデス星団」 の写真がきっかけで、
「何故星は光るのか。そして何故宇宙は存在するのか」 という疑問に目覚め、
遠視になるほど星の観測に励み、
ハレー彗星を見るためにオーストラリアまで単独渡航し、
理解できうる限りの天文&宇宙関連の図書を読み漁った元宇宙オタクだからこそ、
「そんなことが出来るハズがない」 と確信していたんだと思う。

なにしろバイキング、ボイジャー、パイオニアの時代から、
探査機といへば 行ったきり が常識だったから。
地球を周回する衛星軌道ならまだしも、いくら近くを通るとはいへ、
れっきとした惑星軌道を持つ 「イトカワ」 まで行って帰ってくるだって?

ナイナイ。んなことを出来るわきゃーない。

案の定、途中で音信不通になって 「そらみろいわんこっちゃない 」で済ませたきり、
その存在すら忘れて幾星霜・・・
しかしどっこい彼 (ところにより彼女) は生きていた。
生きていたどころか、ちゃんとカプセル持って帰って来たって?うそだろ?冗談だろ?
あきらめずにフォローを続けていた僅かな人々以外、誰もがそう思ったはずだ。
いや、勿論、行っただけでも大したハナシなんだわこれが。

地球スイングバイ?ナニいってるんですか。

「スイングバイ」 ってのはですね、木星の引力を使って軌道を修正&加速して土星に向かうとか、
そういうスケールで使う技であって、
地球周回軌道でそんなことしたって、
また地球の引力にとっつかまって落っこちてくるだけでしょーが!
・・・と、普通の天文宇宙ファンなら思うよね。
NASAなら、巨大推進ロケット積んだ巨大探査機ブチ上げて実現させるかもわからんが、
まさか日本の弱小探査機にそんな離れ業が使えるわけがない・・・・ハズだったんですよ。

ところが、室伏アニキのパワーでぶっ飛んで行くハンマーの如く、
はやぶさは地球引力とイオンエンジンの推進力でもって、
見事に惑星軌道に乗っかってしまったのだ。

ちょっと待て。イオンエンジンだと?

「イオンエンジン」 といへばだね、ワタシが子供の頃に、
学習雑誌の科学特集とかで 「みらいのうちゅうりょこう」 とかいう見出しで、
想像イラストになってたアレだよな?アレが実用になっただと?
理論的には、惑星間航行だけではなく、恒星間航行すら可能なあのイオンエンジンが?
しかも日本のNECが作っただと????

ちなみにイオンエンジンとは、-マイナスの荷電を持った原子 (マイナスイオン) が、
+の荷電を持った原子 (プラスイオン) に向かって飛んで行く性質を利用して、
それを宇宙空間での推進力にするエンジンである。
地上では紙一枚持ち上がるかどうかすらあやしいところなのだが、
無重力かつ真空の宇宙空間であれば、立派に加速装置として働くもの・・・なんだそうである。

要は、水に溶かせば 「Na+」 と 「Cl-」 に分かれる食塩みたいな燃料を積んで、
途中で+イオンと-イオンに分けて、+に向かって-が飛んでいくようにすれば良いんだよな・・・
と、口で言うのは簡単だが、これまで実用化されたことがなかったわけで。

しかも途中で姿勢制御出来なくなって、宇宙で文字通りキリキリ舞して、
通信も途絶えて、バッテリーも空っぽになって・・・
って、そりゃー普通はもうダメだって思うわ。

しかしそのうちZ軸方向だけの単純スピンに収まるように設計がしてあって、
そのまま太陽を周回していれば、春夏秋冬のいづれかの位置で太陽電池パネルに日が当たり、
日が当たれば充電できるから通信が回復し、指令を送れば帰って来る!
・・・と読んでいた関係者に対しては、最早 究極の変態的技術力 という、
最大級の賛辞を贈るしかあるまい。

しかもはやぶさの本体は、地球への帰還の最終フェーズである大気圏突入に際して、
「小天体が惑星軌道から地球に落下したらどうなるか」
という人類初の実験の検体として殉じたのである。
その軽自動車より小さい筐体は、たった一つのパーツすら無駄にすることなく、
太陽系の成り立ちと惑星間航行に関する膨大な実証データを我々に残して、
大気圏で完全に燃え尽きたのである。

しかしこれは 「死」 ではない。
不死鳥が灰となってはじめて甦ることが出来るように、
蓄積された知識と技術が 「次」 に繋がれば、新たな 「はやぶさ」 が生まれ、
再び宇宙へと飛び立つであろう。


いや、すでにイカロスがさらなる高みを目指している。




化学スラスタ (前述のイオンエンジンとは異なる、ロケット的噴射装置) を失ったはやぶさが、
姿勢制御の一部として利用したのが 「太陽風」 である。
風といっても空気が流れているわけではない。
太陽から飛んでくる光の圧力のことである。

「光に圧力があるのか?」 って?あるんです。
光というのは 「光子」 という粒の流れであって、粒というからには実体と質量 (重さ) がある。
地上では蚊が刺したほどの圧力もない素粒子レベルの超微粒子だが、
真空&無重力の宇宙空間では、探査機にとっては風圧に匹敵する影響を及ぼす。
その 「太陽風」 で飛ぶ 「宇宙ヨット」 が 「イカロス」 である。

そう。スターウォーズでドゥークー伯爵が逃亡する時に使った、
「宇宙帆船」 の原理を実証実験しているのがこの 「イカロス」 である。

ってか、光の風で進むヨットがあるなら、
これまた想像図で見たことのある、
光を噴射する 「光子エンジン」 も可能になるんじゃないだろうか。

そんなやかんなやで、ついに科学が人類の空想に追いつき、
そして追い越そうとしている時代になったことを実感する今日この頃である。



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