ウェネトさまの館

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ビスうさ・ウェネトと申します。
どうぞごゆるりとおくつろぎ下さいまし。

迎賓館赤坂離宮 参観!

2015年08月26日 19時18分13秒 | 建物・庭園など

宮殿から大舞踏会の招待状が届きましたゆえ、昨日お出かけしたのでございます。
(E:迎賓館赤坂離宮から参観許可のハガキが届いたという事です)


毎年夏に実施されるこの参観、お伴のEはほぼ毎年(昨年は抽選にハズれた)行っておるとか。
春に日にちを決めて応募し、日にち変更はいかなる理由があろうともまかりならぬという厳しい掟。

受付の西門で身分証を提示しリストと一致するかチェックされ、手荷物のX線検査と金属探知機のゲートをくぐり、入場者用のバッジをつけてやっと敷地内へ。
なれどわたくしは女神ゆえ、フリーパスなのじゃ。(バッグに隠れていただけ)

迎賓館は明治42年に東宮御所として建設されたネオ・バロック様式の建物で、東宮御所としてあまり使用される事なく、昭和43年から5年の歳月と108億円の経費をかけて改修工事を行い 国の迎賓施設となり国宝にも指定されておるのでございます。

ささ、まずはこちらのちまい入口から建物内へ。
正面玄関から入れるのは国賓と天皇・皇后両陛下だけなのじゃ。


見学できるのは「彩鸞の間」「花鳥の間」「中央階段・2階大ホール」「朝日の間」「羽衣の間」のみ。

内装は4万8千枚の金箔が使われ、寄木細工の床も部屋ごとに模様が違いますぞ。
1基1トン近い豪華絢爛シャンデリアもずらずら下がる建物の構造、驚嘆でございます。
建物内は撮影不可ゆえ、ネットの画像載せまする。


「彩鸞の間」

アンピール様式の室内の真白の天井と壁は、華やかな金箔の石膏の浮き彫りで覆われ、鸞(らん)なる架空の鳥の浮き彫りがある事が部屋の名前の由来に。
よく見ると、お友達のスフィンクスの浮彫もございます。

どこが狭いのじゃ~!とツッコミ入れたくなりますが、狭い室内を広く見せる為、壁には大きな鏡を10枚嵌め込み、両側を合わせ鏡にして3基のシャンデリアがどこまでも無限に続くように見せておるのでございます。


「花鳥の間」

公式晩餐会が催される、アンリ2世様式の大食堂。
天井には36枚の花鳥画、欄間に張られたゴブラン織風の綴織は川島織物。
スピーカーも仕込まれたシャンデリアが3基。

そして壁には、Eが毎年双眼鏡持参で観るのを楽しみにしておる濤川惣助《七宝花鳥図三十額》(下絵は渡辺省亭)が。
これは以前「美の巨人たち」でも取り上げられ、ご覧になった方も多いかと。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/data/090704/


「朝日の間」


 
女神が朝日を背に香車を走らせている大きな楕円形の天井画が名称の由来。
古典主義様式の格調高い室内の壁には、京都西陣の金華山織の美術織物が張られております。


「羽衣の間」

天井に、謡曲「羽衣」をだまし絵チックに描いた300平方メートルもの大壁画(日本で一番大きな天井画だそうな)があることが名称の由来。

こちらも古典主義様式で、かつて舞踏会場として設計され、中2階にオーケストラボックス、白い壁には楽器や楽譜のデザインの金箔の浮き彫りがございます。

1基800㎏もあるシャンデリアはフランス製で、7千個もの部品をフランスで一度組み立て、バラバラにして日本に運び、また組み立てたという。


「中央階段・2階大ホール」

イタリア産やフランス産の大理石がふんだんに使われた大ホールの左右の壁には、小磯良平の2枚の大きな油絵《絵画》と《音楽》
青空に7羽のハトが舞う天井の油彩《第七天国》は、平和を表しているそうな。


階段降りて出口の壁の両側には、藤田嗣治の作品が2点。
18世紀フランスの風俗画風で、1935年に銀座コロンバンの天井画として6枚描かれ、1974年迎賓館に寄贈された一部なのだとか。
この天井画があった当時の銀座コロンバン、行ってみたいぞよ~。

ちなみに、抽選にハズれた昨年は「東の間」も公開されたのでございます。
写真でしか見た事ござりませぬが、アラベスク装飾大好きゆえ、アルハンブラ宮殿チックなムーリッシュ様式のこのお部屋が一番わたくし好みかと。
こちらも毎年公開して下さいまし~!


建物の外は自由に撮影できまする。
曇り空が残念なれど、敷地は日陰がないゆえ涼しくて良うございました。

建物正面、画面に全部入らぬほど横長なのじゃ。


近寄りますわよ。


扉もキラキラ。


てっぺんの鳥もキラキラ。


裏側へ回りまする。


噴水。


噴水に住まう魔物、わたくしの使い魔にしとうございます。


ずら~り盆栽。樹齢50~150年の樹木で、国・公賓の接待時に飾られるそうな。


公式随員の客室は撮影不可ですが、窓の外から覗けます。
随員でも当然シャンデリア部屋。

ぐるっと回って再び正面へ。


しかし場所柄仕方ないとはいえ、この宮殿の美術品が年に一度、数日のみしか公開されぬのは勿体ない事よのぅ。
公開されておらぬ部屋にも色々あるに相違ない。

特に「花鳥の間」の超絶技巧な涛川惣助《七宝花鳥図三十額》、手前の壁のものは近くから観られるも、ロープの向こうの壁のものは遠すぎて肉眼ではよう見えぬのが惜し過ぎる。
この三十額、全部壁から引っぺがし、どこぞの美術館で展覧会やりたい…(こらこら)

女神のわたくしに相応しいゴージャス宮殿、ここに住みたいぞよ~!と暴れても、粗末なEの家に帰らねばなりませぬ。

さらばじゃ迎賓館赤坂離宮。
また来年参りますゆえ、首を洗って待っておるがよい。おほほほほ~