ウェネトさまの館

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「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」(DIC川村記念美術館)

2019年06月09日 06時10分25秒 | 展覧会・美術関連

ピカピカに晴れた3日前、DIC川村記念美術館「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」を観たのでございます。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition/

素敵な美術館なれど家から遠く、お供のEが行くのは何と7年ぶりじゃった。
7年前、わたくしはまだ生まれておらんかったぞよ。

東京駅前から美術館まで高速バスが出ておって、片道1時間で行けるのじゃ。
《広つば帽を被った男》のバス、乗り心地も快適でございます。


 

到着~!森のような小径を抜けて、


 

美術館の建物へ。


 

まずは2階、お目当てのコーネル展から観るぞよ。
作品リストがなかったゆえ間違っておるやも知れぬが、構成は以下の通りで、お気に入りや気になった作品も挙げまする。

【初期コラージュ】

コーネルが初めてコラージュを制作したのは、27歳の時だそうな。
展示のコラージュ12点のうち、11点が《無題》なのじゃが、花のミシンの作品やら、不思議な鳥と紳士の作品やら、飛んでる食器と美男な紳士の作品やらお気に入り。

【箱制作のかたわらで】

《踊るタマラ・トゥマノヴァのコラージュ》1940-70 コラージュ、鉛筆、紙
本展のメインビジュアル。これはフライヤーに載ってる作品を撮ったのじゃ。


 

タマラ・トゥマノヴァは、ロシアのバレエダンサー。
トゥマノヴァからコーネルへ宛てた手紙や、コーネルのコラージュが繰り広げられる媒体『ヴュー』『ダンス・インデックス』といった雑誌も展示されておりました。

【箱制作を中心に 30年代~50年代】

お目当ての箱作品が17点、広々した空間にゆったり展示され、大興奮でございます。
コーネルの作品には鳥がよく登場いたしますが、大の鳥好きだったと知り、ますます好きになったぞよ。

《無題(オウムと蝶の住まい)》1948年頃
箱の右側には緑とオレンジの2羽のオウムと捕虫網、左側には版画の蝶と本物の標本の蝶。

《無題(ピアノ)》1947-48年頃
箱の内側も外側も楽譜がコラージュされ、箱の中には小さな天使の塑像がおる。
箱の裏にオルゴールのネジが見えており、ヘッドホンでオルゴールの音を聴く事ができるのじゃ。
曲は、ピアノを習ったことあるお方なら誰でも一度は弾いたであろう、モーツァルトのピアノソナタ K.545。

《鳩小屋:アメリカーナ》1950年代初め
大好きな漫画家・鳩山郁子の『寝台鳩舎』に登場する箱は、この作品をモデルにしておるそうで、観たかったのじゃ。
ちなみに『寝台鳩舎』素晴らしいので、ご興味あるお方はお試しよみや本もぜひ↓
http://webcomic.ohtabooks.com/dovecote/

《カシオペア #1》1960年頃
箱の裏側にまで星空の美しいコラージュが施されておるぞよ。

《鳥たちの天空航法》1961年頃
青を背景に、白い球体や貝殻や素焼きのパイプなど。

【後期コラージュ】

初期コラージュは、19世紀ヴィクトリア朝の版画の複製が多く使われておりますが、後期コラージュは、同時代の雑誌から借用したカラー写真が目立つのでございます。
後期コラージュは11点の展示。

《気圧測定》1957-65年頃
暗い青空を飛ぶ2羽の白い鳥、遠くで稲光、左下には女性像。

《あわれな胸よ、ふるさとを……(ヘルダーリン)》1960年代初め
こちらも青空を飛ぶ2羽の白い鳥。切り立った崖と木々、後ろ姿の女性。

「作品用素材(子供たちの印刷物の切り抜き)」も10点ほどございました。

【モンタージュ映画】

4分から16分30秒までの、14点の映像作品を観ることができまする。
写真作品もありまして、デュアン・マイケルズの2点のゼラチンシルバープリント《ジョゼフ・コーネル》が印象深うござりました。

会期中に展示替えがあった事を会場で知ったのじゃが、前期も観たかったのぅ。
会期は6月16日まで。お勧めでございます。

もちろんコレクション展も観ますぞ。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/art/collection-current/

お供のEは、久々に観る作品や、ロスコ・ルームを懐かしがっておった。
シダネル《薔薇と藤のある家》、ブランクーシ《眠れるミューズ Ⅱ》、エルンスト《石化せる森》、マグリット《感傷的な対話》、瀧口修造《デカルコマニー》などお気に入りで、特にシダネルが好きでございます。

お茶席は、写真撮影OKなのじゃ。


 

コーネル展の特別メニュー(700円)をお願いいたしまする~。


 

金沢の老舗、村上製菓所の錦玉羹『星の箱』、色合いも綺麗よのぅ。
全然足りぬぞよ~。まるまる1本持ってまいれ~。


 

外は夏日でたいそう暑く、広大なお庭の一部だけちょこっと散策。


 

白鳥池には野鳥もいて、白鳥の親子の姿も見えたのじゃ。


 

Eが前に来たときは、白鳥やガチョウが近くまで寄ってきてくれたのに、今回はちっとも傍に来てくれんかった。しくしく
お~い!苦しゅうない。近う寄れ~(遠くに見える白い点は白鳥です)


 

緑のアーチ。妖精の国に行けそうじゃ。


 

白バラも咲いておるぞよ。


 

野外彫刻もいろいろあるのじゃが、入口付近の2点をば。

フランク・ステラ《リュネヴィル》1994年
なにやら壊れた宇宙船のようじゃの(こら)


 

清水九兵衛《朱甲面》1990年
巨大な椅子かの?座ってもよいですかぁぁ?(椅子ではありませぬ)


 

帰りの高速バスの時間は15:29発で、待ち長すぎるゆえ電車で帰ったのじゃが、やはり疲れたぞよ。
今度行く事あらば、多少時間を持て余しても、高速バスで往復しようかの。

せっかく佐倉まで行ったので、周辺の美術館・博物館や、お供のEが10年くらい前に行って強いパワーを感じた麻賀多神社へも行きたかったのじゃが、あまりの暑さに断念。
春や秋にでもまた行ってみたいのぅ。