Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

戦う文豪とナチス・ドイツ 池内 紀(中公新書)

2017-09-28 10:31:12 | 日記
トーマス・マンの亡命日記は毎日書いて世界的事件をメーッセージとして世界へ発信することにあった。文豪トーマス・マンはユダヤ人、ナチスの迫害から逃れてアメリカやスイスへ亡命し、そこから反ナチズムの徹底したメッセージを送り続けていたと言う。彼はワーグナーの心酔者であったがヒトラーも美術のみに興味があったわけでなく、ワーグナーも好きで全盛期にはワーグナーの聖地バイロイト詣でなどもし(私は2012年雪に埋もれたワーグナー夫妻の墓詣でをしてきた)ワグナーの名曲がナチス・ドイツの政党のキャンペーン音楽になった事を我慢ならなかったと言っています。マンと言えばルキノ・ヴィスコンティ監督の”ヴェニスに死す”を思い出す。老作曲家のポーランド貴族の美少年への妖しくも切ない愛が、美しいヴェニスで気だるくもの憂げに描かれている特異な話で私は好き。マンは晩年まで美少年を愛する”密かな性癖”の持ち主であったそうです。カジノで会った舞踏家の無名だが美貌の青年はマンに控の間で胸骨に頬をうずめ、きつく抱きしめられその強さに驚いたと言う。マン80歳の時でした。