ぽたぽた漬けの梅がやっと瓶に収まりました。これから二ヶ月かけて氷砂糖700gを数回に分けて投入し出来上がります。徐々に甘味を加えていくところに”こつ”があるのでしょうね。これで2kgですがもう1kg足せば良かったかなあ…。
我が庭に四種類のハーブの花が咲き揃いました。手前の花火の残り火のようなのがディルの花、その上の紫はご存知ラベンダー左下の可憐な赤い花がチェリーミント、左端の白い小さな花の房はレモンバーベナ、葉が肩に触れただけでレモンの香りが広がります。もう一種ローズマリーの藤紫の花はまだ一緒できません。テーブルの上が良い香りに…。
ウォーキングコースには栗の畑があります。栗の花は独特の香りがして良い匂いとまではいかないが、少しくせのある甘い香りが辺りに漂っています。都会では栗の花など見たことがない人が多いと先日テレビで言っていました。早速拾ってきました。落ちたばかりでまだふさふさしています。不思議ですねえ。こんな花からあのころっとした栗が実るのですから。栗の花の蜂蜜はそのちょっとくせのある匂いがする。ワイルドでいいけれど…。次女が小学生の頃、栗林を抜けて帰宅する児童もいて先生が”栗が落ちていても拾ってはいけない”と言っていた事を思い出します。
梅を漬ける時季となりました。本来の梅干は漬けないが甘い梅をここ数年漬けている。裏の空き地(地主は東京の方でずっと親しくさせて頂いている)の梅の木が今年は豊作で管理会社が迷惑をかけているからと4㎏ぐらい持ってきた。しかし傷が多く折角手をかけるからには上質の南高梅でつくりたいと言うのが私のポリシー。勿体無いので傷のないような物を選んで漬けて見た。塩水に4日浸して灰汁抜きし天日に3日間干す。今日は女神が微笑み晴天の一日でした。ぽたぽた漬けは熟した梅が良いそうですが、これは少し熟し過ぎ。あと二日干して氷砂糖と赤紫蘇で本漬けする。梅の質が落ちるので心配です。
今年も芝の間からたくさん捩花が出ました。毎年書いていると思うが、次女が中学生の時夏休みの研究課題に”ねじばなはねじりが左か右か…”なんて言うちょっとふざけた事に眼をつけた。夫が研究所の庭に捩花の群落があるので昼休みに観察して数えて来ると言って次女の宿題を手伝ったと言う懐かしい想い出があります。不思議な事に夫が亡くなった数年後から、我が家の庭に毎年この時季になるとわっと数十本の捩花が咲きます。何を訴えているのかなあと最近は考えてしまう。江戸時代の図鑑には”捩摺(もじずり)”とあるそうです。しのぶずりとも言い染物の一種で忍草の茎や葉などの色素で捩れたように文様を布に摺りつけたものでその文様が捩れからまっている…それに似ていて”ねじばなとか”もじずり”となったらしい。刈ってしまうかも知れない、か弱く見える雑草でもルーツを知ると優雅なものです。
早速ミーハーのキュリオシティの始まり~。既に過去の人となってしまった中村紘子。今更…と言われそうですが、私の中の拘りとキュリオシティが頭をもたげ困ったものです。彼女は”赤頭巾ちゃん気をつけて”に書かれていることを知り本と自分のレコード(ショパン)を持って庄司薫の所へ押しかけたと言うのです。25歳の情熱は凄いわね(懐かしいなあ)。音楽の世界しか知らない彼女は絶えず眼は外国へ向いていた。しかし文学の世界を知った彼女は”文化”の根底にはいつも日本と日本人がある事を知り衝撃を受けたそうです。そして庄司薫を夕食に招いた時、中村紘子の前で彼は堂々とややこしい所は飛ばしてショパンを弾いた。「唖然呆然声もでなかった」が、彼女は益々彼に惹かれて行ったと言う事でしょう。そうです!文学の世界は広く深いから時には打ちのめされたり、時には慰められたり心の鍛錬には欠かせない。中村紘子も違う世界を知りクラシック音楽に対する姿勢が変わったのではないか…。
今更何?と言われそう。中村紘子が庄司薫と結婚した経緯はこの”赤頭巾ちゃん気をつけて”に彼女の事を書いた事が発端だった…と言う事は知っていたが先日”中村紘子の記憶”を読んで追及したくなった。困ったものでキュリオシティが始まったのです。”どこかの女学校のテニスコーチを片手間にやるとか、中村紘子さんのような若くて素敵な女の先生について(いまの先生はいいけれどおじいさんなんで)優雅にショパンなど弾きながら暮らそうなんて思ったりもするわけだ”と見つけました。三島由紀夫の批評が凄い。庄司薫の才能がきわめて冷静に計画的に駆使されていて”若さは一つの困惑なのだ”と全身で訴え無駄のない小説と言っています。私小説と思えるのですが…。そのうちに中村紘子の”アルゼンチンまでもぐりたい”を読んでミーハー的追求をしてみようと思う。
テレビで熱海のジャカランダが見ごろです…なんて伝えています。今日製本教室の帰りに見て来ました。なあ~んの事はないたった一本の木が花開いているだけ。もっとしっかり情報を収集し伝えなければいけません。26日からは熱海映画祭と訳の解らないイヴェントが開かれるそうです。市民は何も盛り上がっていないそうでお役所だけが太鼓を叩いて笛吹いているらしい。でもジャカランダの花の青紫は深くて美しかった。南アフリカではジャカランダの季節、村全体が青紫に染まるという事ですから…。熱海で育てるのは難しいのでは。
友達のMさんから貰ったディルの花が咲きました。カルパッチョは勿論、ポテトサラダやトマトとアボガド、シーチキンのサラダなどに入れて楽しんだ。この香りがとても好きです。フェネルじゃないの?と言う方もいましたがとっても良く似ているそうです。フェネルは多年草、ディルは一年草で花を比べると全く違う事が解るらしい。ディルの花はドイツやハンガリーの胡瓜のピクルスによく入っています。シーズンが終わり少々寂しい思いをしているが来シーズンは種から育てようと思う。
去年は体力に不安があり3kgしか漬けなかったが差し上げた方からとても好評で今年は頑張って5kg漬けてみました。面倒の入らない直漬けなのでしごく簡単です。なにしろ朝採って貰い綺麗に整形し午前中で漬けてしまうのですから新鮮さは飛び切り。湯河原からやって来る製本教室の男性Oさんは娘婿を突然亡くし悲しみに沈んでいます。私の浅漬けらっきょうが大好きと言ってくださるのでお裾分けして励ましてあげたい。