2010年にロシア、13年にバルト三国と旅行した私にとってかの地の文化には非常に興味があり米原万里や佐藤優の書物は面白かった。しかしこの著者は10歳の時子ども記者の企画で2週間滞在しただけで、あたかも住んでいたかのように「長期」と書いているので笑ってしまう。ソ連崩壊から25年後の再訪と言うから住んでいたのか…と思ったの。まだ若い著者、文章も稚拙で自分の家庭の事などのページも多く佐藤優などに比べたら赤ちゃんのロシア感。しかし900日に及ぶドイツ軍の包囲網の中でショスタコーヴィッチは”交響曲第七番”を作曲し1942年8月にはコンサートが開かれ大勢の市民が(中には正装の人もいた)感動しまた鼓舞されたと言う。戦火の中オペレッタなども上演され”人はパンのみに生くるにあらず”と言う文化の違い。早速ショスタコーヴィチの第五、第七を聴いてみようかなあ…と思った次第。
次女が中学生の時の浴衣をリメイクしました。私の母が仕立てた浴衣、針目は懐かしく母へ思いを馳せ事の外丁寧に解きました。術後腹筋を鍛えるのが怖くて少々オーバー・ウエイト。歳をとるとタイトな服よりゆったりとした方がいいですね。でもだらしないのは嫌いです。サン・ドレスはきちっと見えてそれでいて涼しい。胸の前だけ裏に晒しをつけました。酷暑の中クーラーに助けられやっと出来上がり、まだやる気力がありそうで我ながら嬉しい限りです。
秋田名産のはたはた寿司も頂きました。はたはた(鰰、魚に神と書くのですね。何が神なんでしょう?)は初めて食べたが癖のない魚です。慣れ寿司風で魚の酢じめの加減が良くはたはたがシコシコしてとても美味しい。冷凍寿司は硬くなってしまって…と思っていたら、あにはからんや、ご飯も適当な柔らかさで兎に角はたはたが弾力があって上手に酢じめされています。日本酒が好きだったら良いのに。本当に美味しかった。これらがスーパー・マーケットで手に入るとしたら(寒い土地は私たちの解らないご苦労もあるでしょうが)いいですねえ。重ね重ね有難うございます。(蛇足、昔日本海の貧しい漁村に冬になると雷が轟き、それと共に小魚がたくさん押し寄せ村民は潤った。これは雷神が遣わせた…と信じられ魚偏に神ではたはたー雷神の古名ーとなったと知りました。しかし諸説あるそうです)
ワイン好きな(たくさんは頂きませんよ)私にKさんが石川県からお取り寄せした”フィグログ”と言うドライフルーツ、無花果やプルーン干しブドウ、胡桃を練ったスイーツをくださった。フィグログはイタリアの伝統料理でワインのお供として親しまれているそうです。確かにヨーロッパ、トルコ、イスラエルなどでも似たものにお眼にかかった事がある。無花果は神話にも出てくる歴史のある古代からの果物ですものね。チーズとサンドしてワインを…まあ美味しかったこと!特にワインが辛口だったのでぴったりです。でも悪魔の囁きが聞こえて来ました。”太るぞ、太るぞ”…ってね。おお怖っ!でも美味しいっ!無花果の種のプチプチ感がたまらない。有難う。
今年もところてんを作りました。作り方は簡単ですが4時間も煮詰めるのでキッチンは地獄です。煮詰めたら大きな布巾で漉すので、これまた地獄です。自分で作るのだから市販のものより硬く作りたい…と思ったら硬すぎてしまった。日本人は食感にも拘りますからその”たべもの”に合った硬さとか柔らかさがあるものですよね。市販のように採算が合う必要はないのですが、もう少し”ところてん”らしく作らなければ。みつ豆としても硬すぎた。
ギターの発表会がすっかり気に入ってしまったばあさん、来年は公表(?)したとおり弾き語りをしたいと考え、若き日に夫と聴いたり歌ったりした岸洋子の”恋心”に決めた。そうです”恋なんて…”と言うあのタンゴ調シャンソン、家には彼女のレコードはあるがCDはない。彼女は東京芸大出身の実力派、低めだが伸びやかな声でとても魅力的です。しかし1992年57歳の早世でした。早速CDを購入”夜明けのうた””雪が降る””希望””恋心”などなど12曲、失恋の歌が多い。どの歌も我が青春華やかなりし時を思い出し胸が痛くなった。久し振りに夫の凝りに凝ったオーディオで聴いてみたがやはり音響は素晴らしく吸い込まれそう。衣装ももう娘が「こんなのどう?」なんて…決めてくれている。肝心要のギターはAmの和音を練習中。笑ってください。
誰にも教えたくない私だけのイギリスよ…と言っていますが先生らしいちょっとへそ曲がりな旅です。イギリスは廃墟が多くある。お城や教会、修道院、はたまた訳の解らない塔など私たちもよく行き合った。先生は北東部を巡ったらしいが鄙びた小さな村が多く感激している。”夏の味覚二題”にはエルダーフラワーが出てくる。この花をお砂糖を加えた熱湯に漬けて暫く置くとまるでシャンペインのような薫り高い炭酸飲料が出来、これを”エルダーフラワー・シャンペインと言ったそうだが、フランスのシャンペイン産地からクレームがついて”エルダーフラワー・コーディアル”などと呼ぶ事になった…と言う。えっ!そうだったのね?。知らなかったあ。もう一つはいちご狩りの話、”Pick Your Own”と言う。広大な畑での露地栽培、何故か青いいちごも摘んでいます。と言うのは彼らはジャム作りがメインで酸味のためには青いいちごも必要なのですね。その時は不思議だったが後で解った事でした。色々懐かしい話ばかり。リンボウ先生の表現が面白おかしく彼の著書にはいつも癒される。
ウォーキングの途中こんなに綺麗な猫じゃらしを見つけた。ふさふさの小さな柔らかい穂が出たばかりです。それ程気に留めない雑草ですから頭にある猫じゃらしは黒っぽい。穂の若さとその勢いの優しさそして緑の美しさに眼を見瞠ってしまった。一服の清涼剤ですね。
最近キッチンガーデン(気取ってね)で結構な収穫が毎朝あります。毎日胡瓜の酢の物…そして7,8本溜まってしまったら”胡瓜のキュゥーちゃん”を作り…と少々消費に苦労しつつあります。自分の手で収穫するのですから新しいうちに食べたいと思うので大変です。市井で安くなると我が家でも採れ始めると言う事になるけれど、何にも増して育てる喜びと野菜の美しさ(魅せられている)そしてその”新鮮”さは確実ですから。今日は胡瓜を炒めて豆豉醤で中華風炒め物にしようと思う。
イギリスからミュージカル”エビータ”がやって来た。アルゼンチンのエヴァ・ペロン大統領夫人エビータ(英語ではイヴィータ)がそのカリスマ性から国民に支持されるが癌を患い早世する。”Don't cry for me Argentine"は有名な歌です。今回上演されるエビータは1978年初演当時のオリジナル演出版だそうです。演出家は当時のハロルド・プリンスかと思ったけれど、彼の愛弟子と言う事、そうでしょう、かれこれ40年前ですものね。私たち一家は1978年ロンドンでその”イヴィータ”を観た!パソコンもスマホモない時代、夫は新聞で探し連れて行ってくれた。その他”王様と私””アニー”なども。長女が”王様と私”で東洋系の女の子を捜しているから「オーディションを受けたい」などと大胆な事を言い出し、オックスフォードの片田舎に住んでいてそれは無理だと言う事になったけれど。ストラットフォードのシェイクスピア劇場で”じゃじゃ馬ならし”を観た時、娘たちと夫は皆が笑えば笑うけれど、私は数秒遅れて理解するという情けない観劇だった事もあった。今思えば夫は知恵を絞ってUK本土は勿論、スコットランドからウエールズまで家族を連れて行ってくれた。楽しかったが苦労もし、家族の絆が強くなった二年余りのイギリス生活、本当に懐かしい…涙が出そう。