＜ 探偵ロマンス 全4話 ＞

これ全4話で良かったね。というか、全4話だったからこう作れたのかもね。
それ以上だったら1話で止めてたわ。

こういうレトロどぎつい色使いは、好きとはいえないけどデザインを感じる。
雑踏の絵柄はちょっと「鬼滅の刃」を思い出した。
時代の空気感を忠実に映した……というのとはちょっと違うが、狙いは十分伝わった。

話は、風呂敷を広げっぱなしな気がしたなー。
１から10へ積み重ねて最後に一話としてまとめるわけではなく、
放射状というか、中心（乱歩と白井三郎）から東西南北に話を広げて、
だからといってその東西南北が有機的に繋がってるわけではなく。

1話2話と続けて見て、3話と4話も1週間以内に見終わったのに、
直前の話が何の話だったのか全然脳みそに残ってない。

もう少しまとめろよと思い、ちょっとずるいなと思わないこともないが、
まあ4回だからね……。で、初めに戻る。

役者はみんないい味を出してた。
一番印象的なのは菊之助かな。久々～に現代劇で見た。はまり役だね。
こういう役はこの人で決まりだろうね。何でも出来るタイプではなさそうだが。

石橋静河は心持ち推してる役者なので、小さいけれども印象的な役柄で出てるのは嬉しい。
話としては何のためにいるのかよくわからない役だったけど。
草刈正雄もこの年でこの役ってすごいね。御年70歳でアクションスターですよ。

松本若菜という人は知らなかったが、この役では非常に魅力的に見えた。
菊之助との2ショットは、これぞ大正浪漫の耽美な側面、という絵柄。

あと、舞台の歌声の吹替が上白石萌音なんだってね！
いい声だなあ、と思って調べたら上白石萌音だったのでびっくりした。
あの人はこないだの「中村仲蔵出世怪談」で見事な喉を聞かせてくれた。
あれは金をとれますよ。喉を活かした役をたくさんやって欲しい。

そしてながら見だったわたしは大好きな市川実日子に全然気づいていないわけだが……
市川実日子を出した以上、続ける気まんまんってことだよね？
わたしとしては、もう少し話をちゃんとしてくれないとあまり見る気はしないが。
1時間半で、イルベガンの話だけにまとめて作ってくれたら面白いかもな。
ただイルベガンについてはそんなに深い所まで考えている気がしない。

うーん。見たけど。まあ絵柄はいいけどねえ……という感想。
絵を見るドラマ。