カズオ・イシグロの小説は一体何をいいたいのかわからないよ。
書いてある字面通りに受け取っていいのか迷う。
これは書いてあることをそのまま受け取ると、
えー、受け取ると……
記憶には幸福なものも不幸なものもあり、記憶を持っていることが
いいことなのかどうか一概には言えない。
ブリトン人とサクソン人の対立。立場が違う者同士は永遠に打ち解けないのか?
打ち解けないことが幸福なのか?
愛と信頼は永遠なのか?
……とか考えてみるんだけど、何しろこの人、「信頼できない語り手」の人でしょう。
もー、読んでる間、猜疑心でいっぱい。
これは信じていいのか?だめなのか?と、ずーっと考えることになって、
そこにしか意識がいかない。なので読んでて落ち着かない。
最初に読んだ「わたしを離さないで」のトラウマ(?)が。
今回はまるでファンタジーのように話が始まり、ガウェイン卿まで出て来る。
この人、いろんな仕掛けで書きますね。意地でも同じ趣向は使わないぞ!という感じ。
老夫婦が人間には思えず、ホビットのような気がした。
穴倉に住んでいるというのも「ロード・オブ・ザ・リング」の趣。
会話も人間離れしていましたよね。日本人じゃないことを差し引いても、
「お姫様」「お姫様」ってそんなにいえるものだろうか。
人間界とは別な文化圏にいる存在だと感じた。
この「お姫様」の意味は。ものすごく深い意味がこめられていたらどうしよう。
登場人物の中でガウェイン卿だけが現実感があったなあ。
ガウェイン卿だけが信じられた。ある意味普通の人だった。
ちゃんと事実を語っている気がした。
それ以外は――騎士は語らないし、老夫婦も言ってること心もとないし、
少年も言っていることは大部分まともなんだけど行動はあやしいし、
何が本当に起こったことで何が起こってないのかサッパリ信じられない。
出来ればもうちょっと信じられる小説の方が安心。
とはいえ、読んでて面白かったですけどね。
わたしはこの人、文学の人としては珍しく好きな方です。
多分ノーベル文学賞を取った人で好きだといえるのはこの人だけだろうなあ。
これまでも。これからも。何を読まされているのかサッパリわからなくても。
カズオ・イシグロは寡作なので、わたしがこの前読んだ2011年から、
この長編1冊しか本を出してません。
……って、先月もう1冊出たんか!なんというタイミング。
でも予約が183件も入っているので、課題図書リストの最後尾に回し、
10年後に再会しましょう。その間にもう1冊くらいは新刊が出てるだろうかね。
書いてある字面通りに受け取っていいのか迷う。
これは書いてあることをそのまま受け取ると、
えー、受け取ると……
記憶には幸福なものも不幸なものもあり、記憶を持っていることが
いいことなのかどうか一概には言えない。
ブリトン人とサクソン人の対立。立場が違う者同士は永遠に打ち解けないのか?
打ち解けないことが幸福なのか?
愛と信頼は永遠なのか?
……とか考えてみるんだけど、何しろこの人、「信頼できない語り手」の人でしょう。
もー、読んでる間、猜疑心でいっぱい。
これは信じていいのか?だめなのか?と、ずーっと考えることになって、
そこにしか意識がいかない。なので読んでて落ち着かない。
最初に読んだ「わたしを離さないで」のトラウマ(?)が。
今回はまるでファンタジーのように話が始まり、ガウェイン卿まで出て来る。
この人、いろんな仕掛けで書きますね。意地でも同じ趣向は使わないぞ!という感じ。
老夫婦が人間には思えず、ホビットのような気がした。
穴倉に住んでいるというのも「ロード・オブ・ザ・リング」の趣。
会話も人間離れしていましたよね。日本人じゃないことを差し引いても、
「お姫様」「お姫様」ってそんなにいえるものだろうか。
人間界とは別な文化圏にいる存在だと感じた。
この「お姫様」の意味は。ものすごく深い意味がこめられていたらどうしよう。
登場人物の中でガウェイン卿だけが現実感があったなあ。
ガウェイン卿だけが信じられた。ある意味普通の人だった。
ちゃんと事実を語っている気がした。
それ以外は――騎士は語らないし、老夫婦も言ってること心もとないし、
少年も言っていることは大部分まともなんだけど行動はあやしいし、
何が本当に起こったことで何が起こってないのかサッパリ信じられない。
出来ればもうちょっと信じられる小説の方が安心。
とはいえ、読んでて面白かったですけどね。
わたしはこの人、文学の人としては珍しく好きな方です。
多分ノーベル文学賞を取った人で好きだといえるのはこの人だけだろうなあ。
これまでも。これからも。何を読まされているのかサッパリわからなくても。
カズオ・イシグロは寡作なので、わたしがこの前読んだ2011年から、
この長編1冊しか本を出してません。
……って、先月もう1冊出たんか!なんというタイミング。
でも予約が183件も入っているので、課題図書リストの最後尾に回し、
10年後に再会しましょう。その間にもう1冊くらいは新刊が出てるだろうかね。
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