東日本大震災をモチーフにした連作短編のファンタジー。
正直、なぜ池澤夏樹がこういうものを?と思った。
問題意識の強い人で、防災についても原子力発電についても一家言あるだろう。
その人が東日本大震災を取り上げて、こんな風にふわふわした、
ファンタジーでいいのか。
強い言葉でいえば、お茶を濁していると感じちゃったんだよね。
この人は多分後味の悪い作品は書かない。全てではないだろうけど、
「世界は良くなれかし」と思って書いている人。
でも現実の設定で解決を提示することは出来なかったんだろう。
救いを描くとしたら、ファンタジーの色をまとわせるしか。
池澤夏樹じゃなければ、それを非だとは思わないんだけど、
ふだんエッセイなどで問題提起などをしている人だけに、
慰めだとしても、もう少し現実の世界での救いを描いて欲しかった。
船が成長して(物理的に面積もどんどん増えて、小さな船だったはずなのに
2000人分の家も建てられるようになって)、でも物資の補給も描かれず、
面倒なことは省略され、ほわほわほわっとうまくいってしまう。
そういうお話のようなことは起こらないからね。
ラス前を読んで、鎮魂の書かと思ったんだけど。
むしろ鎮魂で良かったんじゃないか。それならばファンタジーでも納得出来る。
でも最後にさまよう独立国か、船を陸地に戻して暮らすか、という二者択一になる。
船が陸地になるなんて安易だ。子どもの夢だ。
子どもの夢の話でもいいんだけどね。
でも散々、今まで言って来たことを考えると……
やっぱり池澤夏樹にこの程度でお茶を濁して欲しくはなかった。
お話としては、それなりに面白かったです。
ふわふわしたファンタジーとして。
正直、なぜ池澤夏樹がこういうものを?と思った。
問題意識の強い人で、防災についても原子力発電についても一家言あるだろう。
その人が東日本大震災を取り上げて、こんな風にふわふわした、
ファンタジーでいいのか。
強い言葉でいえば、お茶を濁していると感じちゃったんだよね。
この人は多分後味の悪い作品は書かない。全てではないだろうけど、
「世界は良くなれかし」と思って書いている人。
でも現実の設定で解決を提示することは出来なかったんだろう。
救いを描くとしたら、ファンタジーの色をまとわせるしか。
池澤夏樹じゃなければ、それを非だとは思わないんだけど、
ふだんエッセイなどで問題提起などをしている人だけに、
慰めだとしても、もう少し現実の世界での救いを描いて欲しかった。
船が成長して(物理的に面積もどんどん増えて、小さな船だったはずなのに
2000人分の家も建てられるようになって)、でも物資の補給も描かれず、
面倒なことは省略され、ほわほわほわっとうまくいってしまう。
そういうお話のようなことは起こらないからね。
ラス前を読んで、鎮魂の書かと思ったんだけど。
むしろ鎮魂で良かったんじゃないか。それならばファンタジーでも納得出来る。
でも最後にさまよう独立国か、船を陸地に戻して暮らすか、という二者択一になる。
船が陸地になるなんて安易だ。子どもの夢だ。
子どもの夢の話でもいいんだけどね。
でも散々、今まで言って来たことを考えると……
やっぱり池澤夏樹にこの程度でお茶を濁して欲しくはなかった。
お話としては、それなりに面白かったです。
ふわふわしたファンタジーとして。
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