うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

薔薇色の吝嗇

2008年07月02日 | 食う・着る・住む
車をかえた。
だーーい好きだった、真っ赤なエクストレイル。ふん、と鼻でせせら笑っているような車高の高さが気に入っていた。どんな道を通っても、そこのけそこのけになるので、幅寄せなんてもちろんされたことはなかった。私はストレスを急発進で解消する性質なので、そりゃあ、燃費だって7㌔くらいのもので、このガソリン高で、去年からは専ら我が家に余っている軽のヴィヴィオに乗っちゃっていた。そいつはリッター15㌔だったからね。でも、道では迫害の嵐。エクストレイルのときと同じ位の速度で走っていても、追い越しをかけられる。おんなじ人が運転して、おんなじスピードで走っているのに、世の中見た目は大事なのであるなあ、と思わされる日々であった。
そうしてやってきた、7年目の車検。to sell or not to sell, to buy or not to buy, that's the question
そうして、エクストレイルの鼻先をなで、ごめんよぉと詫びながら 私は彼に別れを告げることとした。
石油急騰に魂を売り渡したのだ。
エコという名の吝嗇に、心を売ったのだ。
プレーリー→ラルゴ→エクストレイル と続いたちょっと大型車の車歴は途絶え、3ナンバーとも見晴らしのいい運転席ともさらばであった。
こうなったら、コンパクトカーだ。と思ったのだけれど、スモールカーには徹しきれず、結局は1500ccの薔薇色の車に乗り換えることとした。
ちょっと、心が痛む。
私のように思いながら、乗換をしている人も今のご時世、多かろう。
新しい薔薇色のやつは、燃費計ご持参でやってきた。遠出をすると17 街のりで13あたり。彼女はまだまだ、よそ行きの顔をしていて、私は緊張してしまう。ちょいと吹かしたりすると、何さ、とばかりに瞬間燃費計が、7 とかになってしまうのだ。CVTのエンジンはとても無口で静かに私を採点する。素早い評価に、まことに申し訳ない、アクセルワークがへたくそですまぬ、と謝るばかり。そのくせ、アクセルを踏み込むと、気持ちよく加速してぴゅーんと走ってしまう。そこがよくって1500ccのコンパクトカーっていう矛盾したやつを買ったんだけどね。まだ、気心知れた仲になるには、時間が必要だな。
吝嗇は本当はいいことだ。燃費のいい車は化石燃料の枯渇を遅らせるし、安い旬の野菜は季節外れに食べるものより数倍うまい。
でも、私は、エクストレイルを手放し、ちょっと寂しい。志望校を下げてしまって合格したような気持ち。これも本音だ。


コメント (4)
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