うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

お大尽詣り

2025年01月28日 | ことばを巡る色色
久方ぶりのお大尽ご飯。
冬の日、長い友の車に乗せてもらってお多度さんに行く。
上げ馬神事はいろいろに言われているけれど、奥の天津彦根様も天目一箇様も浄き山水の中に変わらず坐す。
さてさて今日は参道のその昔の旅籠の大黒屋さん。
随分前にお多度さんに参った時、これはこれはいずれお邪魔したいと思った鯉料理屋さん。
お昼なら私でもいただけそうなお品書きを、あの日の私は決して見逃しはしなかった。
上り口でおたおたしていると、「初めてですか」と声をかけてくださる。
案内されて、暖房の入った部屋に通される。廊下は鯉を放っている池を囲む庭に面している。



お多度さんのあの山水の流れる池の中で鯉は清められているのだね。そんな庭を見ながら料理を待つ、なんと贅沢。
煮凝りやらうろこの天ぷらやらあらいやら煮つけやら鯉こくやら、
たっぷり鯉をいただく。
参詣帰りの数え切れぬ人の過ごした部屋の、料理の、
なに気負うことなく、
古民家だの和食の極みだの、暑苦しい講釈もなく、そこにあることの有難さよ。
ちょっと頑張れば手の届くお昼を出してくださる有難さよ。
わたしも、かくありたいものだ。

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