教育に限らず、
私たち日本人の欠陥として、
自分たちの願望に基づいて議論をするだけで
事実に基づいた議論ができないことがあげられる。
・・・このことは、
既に五十八年前に鈴木大拙が的確に指摘していた。
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まず、物を客観的に見ることを学ばねばならぬ、
そこからこれに対して
徹底した分析が加えられなければならぬ。
これが日本人の性格の中に這入ってこないと、
偉大な科学の殿堂は築き上げられぬ。
科学や数学の学修を、
単なる実用面にのみ見んとする浅薄な考え方をやめて、
学問の根底に徹する、甚深で強大な知性の涵養を心懸くべきである。
これが出来ると自から人格の上にも反映してくるにきまっている。
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(鈴木大拙全集 第30巻 15ページ~16ページ)1945年8月26日記
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