いずれ話題にしようとは思っていたのですが、日本は急激な少子化に向かっています。
それに伴う問題は多々ありますが、インフラの維持能力の低下というものがあります。
インフラストラクチャー、生産や生活の基盤となる構造物。道路やガス、電気、水道、学校なんかも
含まれるらしい。
すべて人が作ったものは劣化します。道路やトンネルや橋も劣化するので、維持のための手入れ
が必要です。
この維持費というのは大きい支出です。
少子化が進むと、税収が減り、しかも人材も減ります。
寒空の下、道路工事をしている人達も、結構な高齢者が多くなっています。
以前は外国人もよく見かけましたが、最近は見ません。国の方針らしい。
カネは無い人は無いではインフラの維持は困難です。
コンパクトシティという発想もあります。都市機能を集約して移動コスト、維持コストを下げるという
のが趣旨のひとつです。
まあ、漫然と広い我が北杜市では無理でしょうけど。
道路を作りたくて仕様がない人達がいるようですが、特に高速道路なんてのは維持費が高いもの
です。
その維持費はある人達にとっては貴重な収入源なのですが、この頃はかなり削減されているよう
です。昔は取りっぱぐれのない結構オイシイ分野だったらしいけどね。
道路とか鉄道とか、維持にカネとヒトがかかることを新規に展開するのは非常に慎重になるべき
だと思います。
お金が何とかなっても人がいないという時代がもう来ているのです。
中央道笹子トンネルで崩落事故が起こってしまいました。
亡くなられた方も出ているようです。心より悼みます。
僕もよく使う東京方面の主要ルートですから他人事ではありません。
早くて快適なのは良いことですが、安心が一番です。
どんな様子か、写真も見てないのでわからないのですが、・・・地震の影響とか、地殻変動の類でなければ、・・・・難しい、お金もかかる頭の痛い問題を突きつけられているのかもしれませんね。
「橋」の劣化については、それなりに、問題提起もされているようで、何年か前の報道によれば、山形県では県道の橋などの調査をしたということですが、・・・私も少しだけかかわったことがあるのですが、造って30年くらいの歩道橋・・・・融雪剤をまいているため、見えないところがぼろぼろで、プロに見せたら「使用禁止」になりそうな・・・・何年かして、予算がついて補強して、さらに融雪剤を撒かなくても済む様に屋根をかけました。・・・その後の地震で落ちなかったので、とりあえずは安心かな?。
橋を作った当時も近くにいたのですが、「融雪剤を撒く」ことは想定してなかったのです。トンネルならなおさらですね。
修理がしやすい、維持管理がしやすいことと、費用が安いこと、性能が良い、それらは、かならずしも同じベクトルではないので、・・・・
国家や自治体のレベルばかりでなく、うちでも、「若気のいたり」で買った楽器やらなんやらのメンテナンス費用が・・・・捻出できなくなる状態がやがて来そうです。(笑)
まさにインフラに関わっていらっしゃる貴殿ですから、そのへんの色々を見ていらっしゃると思います。
民営であろうと国営であろうと、組織が少しでも利益を上げようとする姿勢に変わりはありません。
でも、実際に必要な部分を削って利益に回す、しかも利益に見えないように、ということはすべきでは
ありません。
ルールをいくらいじっても必ずテはあります。どんなに厳しルールでも抜け穴はあるものです。
道徳だとかモラルだとか、最終的には自らを律する以外に健全な組織の運営はありえないように思
います。
トンネルの構造なんかも明らかになってきていますが、まあ恐ろしい工法ですね。
M16のケミカルアンカーのネジで重い天井を吊るなんて信じられません。
今の一般住宅以下の発想ですね。
同方式のトンネルは少ないようです。やはり問題があるのはわかっていたんでしょう。
安全優先の「枯れた技術」でやってもらいたいものです。