カシと言ったヤツを指さして笑え!
ノートルダム大聖堂の火災の話から、すでに、そしてこれからも報道関係者がドヤ顔(かは知らんけど)で解説するだろう。
樫の木で作られ……
初歩である。基本である。
樫じゃなくて楢だ!
カシはヨーロッパでは南部の一部にしか生えない。
フランスやイギリス、ドイツの話であれば、それはナラだと考えるべきである。
カシもナラも材木名は英語では「オーク」だ。
どうも明治頃までの日本ではナラは格が低かったらしい。
実際北海道のミズナラ以外は材木としては使いものにならなかったようだ。
カシはカンナの台とか、木刀、農具の柄とかに重用されていたから「オーク」にカシを当てたのだろうか?
おまいらナラ舐めすぎ!
西洋文明、歴史に少しでも触れたり、関心を持ったりすることがあったら、
まずナラを覚えよ!
人類が衰退すると、ナウシカでは腐海に沈むがヨーロッパではではナラの森に沈むのだよ。
畏敬という言葉がある。おそれうやまうということだ。
ヨーロッパにおいて、ナラの木は農地を侵し、道を分断し、狼、盗賊、魑魅魍魎を隠す反面、強固な木材、落ち葉、ドングリという恵みを与える存在なのである。
楢はまさに恐怖と尊敬の対象であったのだ。
ヨーロッパ文明の近世頃までの精神的背景にはナラがある。
ついでに言っとくけど「柏葉付騎士鉄十字勲章」とかコインにあったりするのも、
カシワじゃなくてナラだからな!
柏の葉に形が似ていたことと、柏餅の例もあるようにナラよりカシワが上位だと日本では考えられていたのか?
だが楢だ。
日本における楢の地位向上委員会を立ち上げたいくらいだ!(誰かやって?)
さあ、もう間違えるなよ。
カシじゃなくてナラだ!
かくいう私も「植物の会」に何十年も会費払ってたのに、どんぶり分類だったし、今は材木の分類が出来なくて困ってます。わかりやすい材木標本セット、以前県の森林組合連合会で売ってたのでしたが、買いそびれました。初心者用におすすめの材木標本セット欲しいです。
カシは冬でも緑、ナラは裸になる、
カシは炭になって焼き鳥が美味しく焼ける、
ナラはワインやウイスキーが作れる、
カシは穴が無い、ナラは穴だらけ、
共通するのはドングリがどちらも渋い、
食べたことはないですけれど。
スダジイはおいシイです。
木材の流通名は商品名のようなところがあって、通りの良い名前にされていたりします。
スプルースはアラスカ檜とか。
あとはツーバイフォー材はSPF、スプルース、ファー、パインを区別しなかったり。
木材サンプルはある程度大きくないと、木目や導管の様子がわからないかもしれません。
ご自身で少しずつ作るのも楽しいと思います。
そもそもは明治の頃「オーク」の翻訳が上手くなかったことが問題ですね。
「オーク」が高級材だという情報は当時の日本人も把握していたようですが、オーク=カシと訳してしまったことで、ナラはオーク扱いではなくなりかなり安く輸出されたようです。
ヨーロッパの伝統家具も19世紀以降しばらく日本の北海道のミズナラが多用されたそうです。
アメリカのホワイトオークと言われた材がクソ重くて導管が少なくてナラっぽくなかったことがありました。