久しぶりにシンプリシティ(風琴屋パイプオルガン)に会って来ました。
お引き渡し後、丁度2年になります。
今回、専用椅子を仕上げたので、それを置いてきました。
今まで、仮の椅子で高さ、座面の角度(足踏みリードオルガンと同じで少し前
傾させてあります)を調整して、決まったところで同寸法で仕上げました。
調整式で作ればこんな手間はかからないのですが、そうするとどうしても構造
が複雑になりシンプルさをモットーとするこのオルガンにはそぐわないと考え
たのです。
極力細くというテーマでデザインしました。でも実はかなり頑丈です。
椅子付きの写真は初めてね
久々のオルガンは、少しサイファー(弁にゴミが挟まったりして空鳴りがする
こと)が出ていましたが、至って元気でした。
この2年の間に調律は数回しましたが、故障は皆無で、メンテはしていません。
鍵盤の高さ調整も必要ないレベルで安定しています。
アップライトピアノや、大型のリードオルガンほどの圧迫感も違和感もなく、
ただその場所、普通のお宅の部屋の一角に自然に当たり前に存在しています。
そしていつでも好きな時に、電源を入れる必要もなくただそこに座ってペダル
を踏めば歌い出すのです。
これこそ僕の望んでいたことです。
普通の生活の中に普通にあるパイプオルガン。
そこにいるだけで安心できる友達のような家族のようなパイプオルガン。
その目的は果たせているようです。
YouTubeに上げてある演奏でもわかりますが、足踏み送風ゆえの音のゆれが起こ
ります。
これは、慣れれば曲の中で息継ぎのポイントを見つけられるようになるそうで
すが、難しいものです。
風圧の安定装置を工夫しようかと思ったのですが、オーナーさんは必要ないと
言います。
少しくらい難しいところがあった方が良いそうです。
楽器の側から人間に要求することが少しくらいはあった方が良いと言います。
そうかも知れません。風圧の安定装置の研究は別に進めるとして、この楽器へ
の取り付けは見送りましょう。
僕の作ったものがオーナーさんに全人格的(?)に愛されているというのは幸
せなことです。
この方もまた「足るを知る」人なのです。
普段は譜面台には楽譜が乗せっぱなしで、このようにパイプ部分にはほこり除
けの布が掛けられているそうです。こんな感じ
このパイプは閉管(パイプの天辺が塞いである種類)なのでこうしても音が出
なくなることはありません。
装飾的に布や紐を使っても面白いかもしれません。リードオルガンでも少量生
産モデルで「腰巻オルガン」と呼ばれるものがあって、鍵盤の下あたりからぐ
るっときれいな織物が巻いてあるものがあります。
いろいろ飾り付けを考えるのも楽しいそうです。
はい「未完の完成品」というのがこのオルガンのデザインのテーマなのです。
後から装飾を施す余地を残しておく、むしろ何かをしたくなるように挑発する
ような未完成さ、言いかえれば受容性を持たせたデザインを目指しました。
今にして思うと結構いろいろ考えていたんだねワタシ。
一度お預かりして解体調査するつもりです。なかなか時間がとれなのでいつに
なるかわからないけど。(言ってもいいゼ。貧乏ヒマなしって)
僕が世を去っても生き続けられるオルガンを目指してさらなる研究を。
その様子は報告しましょう。
お引き渡し後、丁度2年になります。
今回、専用椅子を仕上げたので、それを置いてきました。
今まで、仮の椅子で高さ、座面の角度(足踏みリードオルガンと同じで少し前
傾させてあります)を調整して、決まったところで同寸法で仕上げました。
調整式で作ればこんな手間はかからないのですが、そうするとどうしても構造
が複雑になりシンプルさをモットーとするこのオルガンにはそぐわないと考え
たのです。
極力細くというテーマでデザインしました。でも実はかなり頑丈です。
椅子付きの写真は初めてね
久々のオルガンは、少しサイファー(弁にゴミが挟まったりして空鳴りがする
こと)が出ていましたが、至って元気でした。
この2年の間に調律は数回しましたが、故障は皆無で、メンテはしていません。
鍵盤の高さ調整も必要ないレベルで安定しています。
アップライトピアノや、大型のリードオルガンほどの圧迫感も違和感もなく、
ただその場所、普通のお宅の部屋の一角に自然に当たり前に存在しています。
そしていつでも好きな時に、電源を入れる必要もなくただそこに座ってペダル
を踏めば歌い出すのです。
これこそ僕の望んでいたことです。
普通の生活の中に普通にあるパイプオルガン。
そこにいるだけで安心できる友達のような家族のようなパイプオルガン。
その目的は果たせているようです。
YouTubeに上げてある演奏でもわかりますが、足踏み送風ゆえの音のゆれが起こ
ります。
これは、慣れれば曲の中で息継ぎのポイントを見つけられるようになるそうで
すが、難しいものです。
風圧の安定装置を工夫しようかと思ったのですが、オーナーさんは必要ないと
言います。
少しくらい難しいところがあった方が良いそうです。
楽器の側から人間に要求することが少しくらいはあった方が良いと言います。
そうかも知れません。風圧の安定装置の研究は別に進めるとして、この楽器へ
の取り付けは見送りましょう。
僕の作ったものがオーナーさんに全人格的(?)に愛されているというのは幸
せなことです。
この方もまた「足るを知る」人なのです。
普段は譜面台には楽譜が乗せっぱなしで、このようにパイプ部分にはほこり除
けの布が掛けられているそうです。こんな感じ
このパイプは閉管(パイプの天辺が塞いである種類)なのでこうしても音が出
なくなることはありません。
装飾的に布や紐を使っても面白いかもしれません。リードオルガンでも少量生
産モデルで「腰巻オルガン」と呼ばれるものがあって、鍵盤の下あたりからぐ
るっときれいな織物が巻いてあるものがあります。
いろいろ飾り付けを考えるのも楽しいそうです。
はい「未完の完成品」というのがこのオルガンのデザインのテーマなのです。
後から装飾を施す余地を残しておく、むしろ何かをしたくなるように挑発する
ような未完成さ、言いかえれば受容性を持たせたデザインを目指しました。
今にして思うと結構いろいろ考えていたんだねワタシ。
一度お預かりして解体調査するつもりです。なかなか時間がとれなのでいつに
なるかわからないけど。(言ってもいいゼ。貧乏ヒマなしって)
僕が世を去っても生き続けられるオルガンを目指してさらなる研究を。
その様子は報告しましょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます