吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

さようなら まるちゃん

2012年03月11日 | 家族

にわとりのまるちゃんが死にました。

昨日の朝、様子を見た時、まるちゃんのお尻に赤いものが。
こ、これが噂に聞く脱肛か!
ほとんど毎日あの小さな体から卵を産むにわとりは肛門がゆるくなり易いのだそうです。
急いで抱きかかえてお湯で洗って詰まっていた糞を出しました。
が、それでも大きな玉のようです。
ただのうっ血ではなく腫瘍のような感じです。そういえば最近の卵が妙にいびつだったのはそのせ
いだったのか?
とにかく飛び出た直腸を中に納めたのですが、しばらくするとまた出てきてしまう。
何度かやって落ち着いたようなので、一旦、家に戻ってネットで調べたのでした。
用事があったので、それを済ましてまるちゃんのところに戻ると、また出ていました。
しかも状態はより悪く……、すでに一部壊死しているような。

ネットで見た情報で「逆さ吊りにして腹圧を下げ30分から半日置くとうっ血も収まる可能性がある」
というのがあったので、やってみることに。
さすがに逆さ吊りはなんなので、座ってひざの上で両足を持って仰向けにして、洗ったため濡れてし
まったお尻まわりの羽を乾かすようにストーブに当たりました。
時々震えるまるちゃんには…死の影が…ありました。死にゆく生き物独特の雰囲気。
娘を呼びました。
多分、明日まで持たないと思う。
うーん、治ると良いなあ。
そうだね。

娘を家に帰して、そのまましばらくひざの上で抱っこして撫でながらこの半年ほどのことを思い出し
たのでした。
ありがとうね。
にわとりなんて大して興味は無かったし、別に何か発見があるとも思っていなかった。
実際付き合ってみて、何も知らなかったことに気付いたよ。
品種交配(あまり改良とは言いたくない)を繰り返して、まさに「産む機械」のように作られているこ
とも。
もう廃棄される状態だったのに本当にたくさん、トータル100個は越えてるほど卵を産んでくれてあ
りがとう。
別に卵を産まなくたって、生きているだけで良かったんだけどね。そうもいかないのだろうね。
うちでの暮らしは快適だったかな?

夜中、寝る前にもう一度鶏小屋に様子を見に行きました。
いつもの場所とは違う小屋の隅でじっとしていました。
腸は出ていなかったけど、確実に命が弱っている感じでした。
地面に下すと僕の足元に寄ってきたので、抱き上げて頬ずりしました。

ありがとう。さようなら。

翌朝、一縷の望みは潰え、まるちゃんは横たわっていました。まだぬくもりが残っていました。
そのあと、娘と一緒に埋めました。


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4 コメント

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Unknown (しまりす)
2012-03-12 00:31:00
タイトルを見て、まさか・・・と
思いましたが。
悲しいです、残念です。
命あるものは必ず死を迎えることはわかっていますが、辛いですね。

卵をたくさん産んだということは
まるちゃんにとって良い環境だったのでしょうね。最後までよく面倒を見てもらえて
まるちゃん、幸せだったね!
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Unknown (佐藤ジョージ)
2012-03-12 05:32:36
うーん、そうでしたか。残念です。
治るものと軽く考えていました。状態は悪かったのですね。

うちの農場でも少し前に同じ事が散発していました。
農場だと「事故」扱いで、「そんな事もある。」と考えてしまっています。

うちから行った「廃鶏」が、そうやって愛された事は、ずっと憶えているでしょう。

ありがとう「まるちゃん」。

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たったそれだけのお話 (ひろにゃんof風琴屋)
2012-03-13 23:33:25
しまりすさん、ようこそ!

急だったからね。でも鳥類って大抵そうなんですけどね。

無数に舞い散る雪のひとひらを、手に留めて、それが溶けて無くなるま
で見守っただけ。ただそれだけ。たったそれだけのお話。

でもそのお話は胸の中へ、いつまでも。
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一応終了 (ひろにゃんof風琴屋)
2012-03-14 00:24:48
佐藤ジョージさん、ようこそ!

ここ一週間ほど、卵がいびつにゆがんでいて、年のせいかと思っていた
のですが、腫瘍のせいだったのかも知れません。

良い子をありがとうございました。

そもそも、自ら殺して食べるための鶏を、ほんの気まぐれで飼ってみるこ
とにしたのが始まりでしたね。

やってみて本当に良かった。
まあ、これにて一応は終了。鶏小屋も解体、廃棄のつもりですが、いずれ
また飼ってみたくなるかも知れません。
その時はよろしくお願いします。
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