吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

ラジオに出たこと

2011年09月21日 | オルガン

また更新が滞ってしまいました。
連日多忙にしていて、ネット環境もままならない状態です。

台風が近づいております。皆様ご注意を!
川や水路を見に行っちゃダメよ!パトロールも禁止!
非常時に興奮してしまうタイプっているんだよねー、オレもだけど。

さて、昨日は地元山梨のYBSラジオにちょこっと出ました。
聴かれると恥ずかしいので事後報告。風琴屋オルガンの件です。
5分ほどではありましたが、生中継は緊張するっ。思わず放送には不適切なる単語をシャ
ウトしそうな自分が怖かったです。あ、いえ、冗談ですよ。
個人でパイプオルガンを所有している人は少ないので、まあ日常のちょっと珍しい話題
という扱いです。
ですが、日常に自然に在るオルガンというのがこのオルガンのコンセプトなので、これ
はとても良いことです。

ここに至る流れには興味深いものがあるので時系列に従って書いておきましょう。

まず、オルガンのオーナーさんのところへ、ガス会社の社長が訪れたところから話は始
まります。
ディスカウント攻勢をかける新規参入業者対策でその社長は来たわけですが、オルガン
を見て感動して携帯電話で写真を取ったり録音したりしたそうです。
で、彼がオルガンのことを地元のコミュニティ誌に紹介したいということで、地元のジ
ャーナル誌が取材に来ることになったのでした。
実に淡々とした取材だったそうです。

ここで問題発生。
オルガンのオーナーさんは、あくまで一般人なのですが、名前、年齢、電話番号を記事
に書かれてしまったのです。本人がそれを断ったにも関わらず。
女性の年齢を不必要に晒すことは無いと思いますし、電話番号も本人が出さないで欲し
いと言ったのに、発行者側の事情(ほとんどひとりでやっているので、社に問い合わせ
が来ると処理しきれない)ということで本人の意向を無視して掲載するというのは乱暴
に過ぎると思います。
また、記事には製作者として僕の名前も書かれていましたが、僕がそのことを知ったの
は全くの第3者からでした。
この件では、オルガンのオーナーさんはかなり悩んだそうです。
今のところ不審な電話は来ていないそうですが。

そして、そこに不審でない電話が来たのです。
それがYBSラジオです。リポーターの女性は個人的にも小型パイプオルガンに興味がある
ようで、何回かの電話取材の後、放送となったのでした。
放送終了後、リポーターの彼女にオルガンの各部を見せました。
若い娘さんがあられもなく這いつくばって、あれまあ、ってなもんです。
興味を持って見てくれる人は良いですね。

マスコミだろうとミニコミだろうと人にものを伝える仕事の人はその対象に対して真摯
に臨んでほしいですね。

解説しながら改めて見るに、このオルガンついては本当に小型化に心を砕いたのが感じ
られました。
小さな部屋ででしゃばり過ぎないようにするために、少しでも小さく、でもデザインは
破綻しないように、機能も損なわないようにと、ところによってはミリ単位で部品が場
所を取り合っています。
ここまで圧縮する必要も結果的には無かったのですが、とても勉強になりました。

運用開始後3年あまり。調律は何回かしていますが、修理調整は一度もナシ。
長雨で戸棚のドアが反って開かなくなる時でも問題なく作動しています。
派生型を含めて量産(といっても大した数じゃないだろうけど)体制を整えているとこ
ろです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
聞きたかったです。 (たびくう)
2011-09-22 09:37:54
ええ!事前に知っていれば聞きたかったです~。
シャウトするところ(笑)・・・
大切にされているこのオルガン、幸せ者ですね。
そんな幸せを作ったひろにゃんさんは「幸せの父」ですね。偉大です^^
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心を支える杖 (ひろにゃんof風琴屋)
2011-09-24 00:29:01
たびくうさん、ようこそ!

まあ、今回は僕は脇役ですからね。目立っても仕方ありませんから。

何度か書いていますが、僕がこのオルガンを作ったという意識は希薄
です。
不測のアクシデントによる何度かの作り直しで、気力も考える力も尽
きた状態から急速に形を成したので。

自分の在り方に疑問を抱いたり迷ったり、時には後悔したりもするの
ですが、このオルガンに会いに行くと元気が出ます。

ひとの心を支える素朴で丈夫な杖のようになって欲しいと望んだので
すが、それは叶ったようです。
そして、僕自身もまた支えられているのです。
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