川口はいいところよ・・  ようこそ新潟へ

新潟県中越地震震源地から今年で早や12年。そげ落ちた信濃川の河岸段丘の表土も自然の力で草木が戻りました。

新潟県中越地震Ⅵ(川口町震度7の町)

2006-04-12 23:29:32 | 新潟の外あそび
ゆっくりと坂を下ってきた一台の車は私達3人に気づき、ほっとしたように止まった。

「どちらに行くのですか?」
「17号に出ようかときたのですが。」
「川口橋は通れませんよ。」
「困ったなぁ・・今塩殿から来たのですが、その先は行かれないみたいです。」

・・・川口町西川口地区が孤立した・・・

「私はこれから越後川口ICに行くつもりです。そこまでは行かれますか?」
「あぁ、インターに何台かいましたよ。」
「ありがとうございます。高速は大丈夫かもしれませんのでインターに行ったほうがいいですよ。」

「分かりました。戻ってみます。」
車は私たちを後にした。

私は半身ずぶぬれで裸足なのに気づいた。
「よろしかったら、インターまで車に乗りませんか?」
「すみません、いいですか?」

ずぶぬれの私を後部座席に乗せ、車は動き出した。


新潟県中越地震Ⅴ(川口町震度7の町)

2006-04-12 18:15:05 | 川口はいいところよ
外灯が消え、真っ暗闇の中 私はエリアへとひたすら歩いた。
上り坂の中央には深い亀裂がはいっていた。
時折行き場を失った車のヘッドライトにそれが照らされていた。

県道の中央から左に進路を変えた時だった。
左足が空を蹴った。

・・・うわぁぁ・・道路の亀裂に落ち込んだ・・

あっ、足が着く。
慌ててショルダーバッグを探した。
胸まで埋まった底には地下水が勢いよく流れていた・・
少し離れた亀裂の底に横たわっていた。
携帯が使えなくなった。

「大丈夫ですか?」
暗闇の中から心配する声がした。

「よくわかりましたね。」
暗闇の中から若い男女が姿を現した。
「車のライトで落ちるところが見えました。」
「ありがとうございます。」
引き上げてもらった。
「どちらへ?」
「小千谷に行こうとしたのですが山本で橋が落ちたみたいでどうしょうか相談していたんです。」
「川口橋は通行できませんよ。」
一台車が通りかかった。